BSアニメ夜話「新世紀エヴァンゲリオン」

まず唐沢俊一氏がちゃんと出演していてホッとした、というのが素直な感想。
いろいろとネタが詰まっている作品だけに、どこを切り取ってもそれなりの話になるし、また独自の見解が聞けて楽しめる。そのはずだ。
しかしながら、進行がいっぱいいっぱいの乾さんとか、何かうまく歯車が回っていない感じが付きまとう岡田氏とか、その存在が明らかに反発を受けそうな滝本氏とか、裏では色々と大変なんだなと思ってしまうのはどうしようもないことか。
個人的には「気持ち悪い」の台詞がなぜ出てきたか、アニメ・マエストロのコーナーでのTV版最終話の映像に対する見解、ブンガクについての総括、以上3点が聞けたので満足。
まあ、それなりに納得できる説明が欲しくなる作品だものな。
ただ岡田氏が
・成長物語 > エンターティメント
・成長しない > ブンガク
としていたのが、ちょっとひっかかるか。いや単にひっかかるだけで、だからどうだというものではないのだが。
また、思わず笑ってしまったのは、滝本氏が「だって男だったら、綾波を好きになるでしょう」とか発言していたところ。
笑ってしまった理由としては、
・滝本氏に生理的な反発を覚える人が多いのではないかと思ったこと。それは理解できること。
・しかしながら、滝本氏に反発を覚える人に対する底意地の悪い悪意が自分の中に存在すること。
・で、省みるに、自分は綾波が人外ゆえに惹かれるという立場をとるであろうこと。
・どちらにしても、それは実写に行かざるを得なくなった庵野監督の軌跡の影響下の話でしかないこと。
以上が微妙にブレンドされて、自嘲に近い笑いとなるしかならなかった。
まあ、1995年は遠くになりにけり…といったところか。そういや岡本喜八監督のDVD-BOXとか、出さないんだろうか?