負けたわ、貴方の魅力に…

心に浪漫を秘めたるDnDプレイヤーの皆さん、こんばんわ。
唐突ですが、今宵は浪漫の話をしようと思う。
「くっ、負けた。Evilの限りを尽くしてきた私に情けは無用」
「…」
「そんな目で私を見るな! さあ、貴様の手にかかるなら本望」
「いや、君にはまだ未来がある。贖罪の機会があるんだ。
 やりなおそう、そして取り戻そう」
「馬鹿な。この私に一体何が残されてると言うのさ。
 この血塗られた手で、幸せをつかめるとでも?」
「なんだって、できる。生きていれば、なんだってできるさ!」
「もう、疲れたよ。一人で生きていくのは。
 さあ、もう楽にしてくれ」
「これからは俺が、俺がずっと君のそばにいる。だから…」


Sanctify the Wicked !


島本和彦氏曰く「敵のふところに入って力を得るが心まで奪われずに脱出、敵から奪った力で敵と戦う」のを「王道」としている。*1
長谷川裕一氏的な解釈をさらにほどこすなら、「悪の女幹部を愛ゆえに救う」のも「王道」と言えまいか?
いや、それこそが浪漫の第一歩なのである。
そんなときに我が身を削り、EvilをGoodに転向させるのはAtonementでは物足りぬ。
もっと劇的な何かであってほしいわけだ。
そこでBook of Exalted Deedsの9th Sanctified SpellであるSanctify the Wickedに登場願おう。
10000gp以上の価値あるダイヤをSpell Focusとし、自らのキャラクターレベルを1レベル犠牲にすることで、相手を改心させる呪文である。
相手の悪の心をダイヤに閉じ込め、すると魂が邪悪を過去のものとし、善の心に目覚めていく。
要はSanctified Creature Templateが付与されるのだ。
残念なことにEvil SubtypeのOutsiderには適用されないので、SuccubusやErinyesには適用されない。残念。
ただ対象が「Evil Outsider以外のEvil Creature」と無茶苦茶広いので、どのような状況も設定可能なのが魅力か。
Templateが付与されるとSu, Sp能力は失われるもののEx能力は残る。
昔Vampireだった娘さんは、なぜかBlood Drain, Fast Healing, Resistance, Spider Climb, Turn Resistanceが残るわけ。(Blood Drainが残るのが御愛嬌としても、Spider Climbはどうか?)


ここまで書いておいてなんだが、この呪文実はSpell Resistance: Yesな上に、Saving Throw: Will negatesである。
Diplomacyによる説得は必須。
最後に「無謀キャプテン」からの引用を。
「その女はさっきまで俺の命を狙っていたヤツの正体だぞ。なに優しい声を出してやがる」
「し、しかし。少女の姿をとられた以上、優しくするしかあるまい!」
す、素晴らしい。
「ホ、ホレたなっ、貴様!」
「下衆な勘ぐりはよせっ!」
最高の掛け合いである(馬鹿)。


[追記]
なお、鬼畜でアングラで歪んだ愛に興味がある方には、Book of Vile DarknessのMind Rapeをオススメする。
ちなみにDMがこの呪文を使った瞬間、私はDMを殴っても人間的に間違いじゃないと思います。つうかむしろ推奨?