おかしな服屋
白いワイシャツがなかったので、会社の近くのそれっぽい店で購入した。
店に入ると、主人と思しき男が何かを熱心に読んでいる。
こちらの用件を伝えると、サイズをはかって適当なワイシャツを見繕ってくれる。
その間に、男の読んでいたものに目を走らせると、どうやら台本のようだ。
どこかの劇団に所属でもしている仕立て屋なのだろうか、などと至極順当な想像をしてみる。
で、ワイシャツを包みに行く途中でくだんの台本をひっくり返していったのだが、タイトルを見れば「国会中継」とか書いてある。なるほど、とは思った。
しかし、いったいこの男は営業時間中に国会中継の答弁内容と思しき資料を、どういった経緯で読んでいたのか非常に興味を惹かれた。
しかしながら、通夜の手伝いがあるため、そのまま店を出たのである。
どうでもいい出来事なのだが、なにやら探偵小説の出だしのようで、結構不思議な感じがした。