キカイダー01

まさに30年振りくらいでDVD-BOXから2話だけ視聴してみた。
選んだのは43話「ビジンダーに恋した若者」と44話「ビジンダーの美しく悲しき別れ」。
いや当時受けた衝撃には比べるべくもない鑑賞だったが、今見ても志穂美悦子演じるマリはいい味出している。
「人造人間は恋してはいけない」とみずからに言い聞かせるシーンとか、「こんな私でも…」といって最後に本当の姿を見せて男のもとを去っていく展開などは、実に王道。頷くことしきり。
そしてミニスカートで健気に戦うお姉さん姿の志穂美悦子は、やはりスバラシイのでありました。


それにしても犯罪組織シャドウの作戦がかなりツッコミ所満載。
今見るとあまりにおかしいので、前提の間違った公式をなんとなく納得させられてしまったような一種独特な感覚に陥る。
・世界的な石油危機ゆえにシャドウのロボットを動かしている石油の備蓄が危機に!
(いや当時石油危機はあったしそれはいいのだが、敵の戦闘員がロボットなのもいいとして…石油で動いているのかっ! という驚き)
・なので、石油の代わりに海水を利用したロボットを開発、実戦投入。
で、投入されたアクアラングマンの格好たるや、フルフェイスヘルメットかぶった黒ずくめのスウェットスーツ姿の安普請。
ビジンダーの格好も「あんまりだ」というのは置くとしても、なかなかに最近のCGなぞを駆使している特撮モノではお目にかかれないチープ感。
いやこれぞ自分の少年時代の特撮ではあるのだが。
次の話でハカイダーが陣頭指揮をとる作戦に至っては…
・果物を輸送するトラックを襲撃。果物を品不足として価格を高騰させ、少年少女に果物を巡って争いを起こさせる。
・この作戦によって人間不信に陥った少年少女が長じるに、荒んだ大人になることは確実という凄い論法。
なんだか眩暈がしてくるほどだ。


ライナーノートを見ると当時(1973年)の放映番組が掲載されている。
もともと「キカイダー01」は「8時だよ全員集合」にぶつける企画で、かなりの健闘した作品だったのだ。
他にも「侍ジャイアンツ」「流星人間ゾーン」「バビル2世」「イナズマン」「ロボット刑事」「ドロロンえん魔くん」(オユキちゃんがいろっぺーのデス)「風雲ライオン丸」「ジャンボーグエース」「仮面ライダーV3」「レインボーマン」「ミクロイドS」…。
再放送枠で見ているのもあるけど、結構当時の番組は見ている気がするなあ。ほとんど覚えてないけど。
[追記]
飯塚昭三さんの声あってのハカイダーであることよ。