ロフトプラスワン 鈴木美潮×唐沢俊一「平山亨の人生を訊く!2」

8時45分に出社して17時15分には仕事を放擲して新宿に向かうのでした。
なんとなれば、18時開場のくだんのイベントに参加するため。
1回目のイベントに参加したからには、2回目のイベントにも参加するのはもはや義務であろう。前回のイベントは1年以上前のような気がするが、まあ気にするな。どんまい。
ともかく、たまには特撮バナシでガス抜きくらいしないと人間駄目になる!(断言)
そういうわけだ。(どういうわけだ?)
さて前回は平山氏が如何にして特撮プロデュースでワーカホリックとなりしか…といった点を中心に話を聞いた。今回は役者や平山氏を支えた人々の話を聞く。
前回の話とかぶるものもあったが、当時の特撮が現在の特撮と如実に違う点につき合点が行く話なぞが興味深かった。
端的にいえば、アクの強い脇役、または敵役の存在である。
昭和40年代の特撮黄金期には、斜陽となった映画業界から主役とはなり得ないが強烈な個性をもった役者が特撮に流れ込んできていた。
そういった役者は、とくに映画では主役を際立たせるために抑えた演技が身についているのだが、特撮でしかも悪役であればオーバーアクト、見得を切るのも許される。これは新鮮な体験だ。彼らは夢中になって、己が役所をまっとうすべく張り切ったという。
だから視聴する子供心に強烈な印象を残すことができたのだ。
見よ!「仮面の忍者・赤影」に登場する悪役どもを。実に生き生きとしているではないか。
無論、私の年でも「赤影」はリアルで鑑賞できたわけではない。(昭和42〜43年作品だ)
しかしながら、死神博士天本英世・東大哲学科出身)、地獄大使潮健児)、魔女ベルバラ(曽我町子・追悼の意味をこめて「5年3組魔法組」の映像を流していた)など、誰でも知っているレベルの役者の作品を、子供時代にリアルで鑑賞できたのは大きい。
荒唐無稽な特撮の、しかも悪の組織なり魔女の存在感をかもし出していたのは、まさにそういった人々だったのだ。
そして私は今でも、志穂美悦子の胸の第三ボタンに釘付けだったりするわけだ。業が深い。


[ちょっといい話]
秘密戦隊ゴレンジャーモモレンジャー役・小牧リサの運動能力はかなりのものだったようだ。スタントをほとんど使わずに戦闘シーンをこなしていたとか。
 彼女にスタントを使う旨を尋ねたときに応えて曰く「いいわよ。(自分で)やるわよ」*1
・ショッカーの戦闘員の掛け声をどうするか会議をしていたとき、「ハイル・ショッカー」など多くの案が没になったという。
 煮詰まった製作スタッフの中で、ついに岡田氏が「(もう)イィーーーー!」と叫んだ。
 平山氏は「お、それ採用」と即決。かくしてショッカー戦闘員の有名な掛け声「イィーーー!」が誕生したのである。
 書いてて気づいたけど、Monty Pythonの「ニィ!」(あれはどっちかってえと「ニッ!」か?)と語感が一緒だ。


かくして楽しき夜は終わりぬ。
家に帰って、「全怪獣怪人大事典」(竹内博監修・英知出版)と「原色怪獣怪人大百科」(ケイブン社)を引っ張り出して、しばし昔に思いを馳せてみたり。
[追記]
やはり本職の記述は凄い。同じ場にいたのに、記憶・表現・構成すべてにわたって正確かつ詳細であることよ。とくに自分の記憶の曖昧さにはちょっとあきれる。やはりその場その場でメモをとらないと駄目なのかなあ、おいらの場合。精進せねば。
ttp://www.tobunken.com/diary/diary.html(2006年5月11日の日記参照)

*1:彼女の定番の掛け声は…分かるよね?