出版業界で生き残るための方法教えます

ロフトプラスワンのイベント。
唐沢俊一氏(塾長)と大内明日香さん(塾頭)が主催。
意味合いとしては、唐沢俊一「文筆業サバイバル塾」開講記念プレイベントである。
以前から指摘されていることだが、団塊の世代の定年で雑誌が今以上に売れなくなり淘汰されるのではないか(現状でも雑誌のページ数は減少傾向にある)という点。
さらに携帯電話、Internetの社会への浸透が、(出版による)活字媒体で生計を立てる職業的な文筆業家、すなわちライターを窮地に追い込んでいるのではなかろうか(新人ライターによって若い世代の動向を探ろうとする流れがネット社会の進出によって手軽にリサーチかけられるようになり、名前の知られているライターや代替のきかないライター以外は採用されない傾向にあるという。コスト削減により、普通の文章であればライターに書かせるより編集が書いてしまった方が世話がない。また面白いBlogをみつけてそれを手軽に出版に結びつけるといった手法もあり、職としてのライターは大きな転換点にある)という認識。
どうやらそこらへんが出発点らしい。
無論、ここで使われている“ライター”はアサヒ芸能だとか週刊文春だとかに執筆している人々をイメージしているのだろうが、その危機感の持ち方は納得できる。
こうした周囲の環境変化もさることながら、一緒にタッグを組んでいた編集者の質的変化もあるという。
それはMacDTPを駆使して書籍を組み立てることで(詳細はよくわからんが)編集者がより多忙になっていることに問題がある。
書籍をどのように売るか(またどんな本が売れるのか)という点についてプロであるはずの編集者が、勉強する時間が削られて知識の在庫が払底している状態だとか。まあ「優秀なライターの背後には、倍の優秀な編集者が存在する」というのはありそうな話だ。ここらへん総論としてどうかというのは編集の現状を知らんので何とも言えない。
他にも、徳間書店で「薬局通」を出版するときの話(処女出版であの部数! でも売行きは最低)や、ライターの心得についての話(単行本を出すなどライターの風上にもおけないという考え方もあったりした)、平凡パンチの話(銃と自動車と女の記事しかいらないと言われた時代の終焉)、パンチザウルスの話(3年は仕事漬けの予定が3ヶ月で休刊)など。
ともかくこうして厳しい状況の中で、何とか家族を養っていけるだけの職業としての文筆業を保っていくにはどうしたらいいか。これを具体的に伝授する講座でありセミナー、いやワークショップか。それが文サバ塾らしい。
面白そう(危機の認識と応急的な対応、解決への模索、といったシチュエーションが本質的には好きなのかも?)だが、該当時間帯(たしか木曜の午後6時〜8時)に該当場所(渋谷)に定期的に出張る自信がないので、おいらは参加せず。