「第二回トンデモ映画会」

池袋文藝座、3月10〜11日オールナイト。選者は唐沢俊一氏。
●「アマゾン無宿 世紀の大魔王」(1961/東映
日本賭博市場(?)を狙って海外組織(アメリカ・フランス・エジプト・ブラジル?)がエージェントを東京に送り込み、虚虚実実の駆け引きの後…といった粗筋はあるものの。
いきなりアメリカマフィアからの刺客が、国定忠治の子孫で日系アメリカ人の通称“ゴールドラッシュの熊吉”(進藤英太郎)と来たもんだから、物語は無国籍モノとしての怪しくも躁的な雰囲気をかもし出す。いや主演は片岡千恵蔵の“アマゾンの源治”なんですけどね。海外エージェント3人組がすべて日本人といういい加減さ(褒め言葉)。素晴しい。
つーか、内容は以下が詳しい。
http://www007.upp.so-net.ne.jp/mizutami/amazonmushuku.htm
こちらは俳優の顔がわかる
http://ogikubo-toho.com/haiyuu.html
やはり狂人を装うという定番シーンをこれほど堂々と物語展開してしまうのは、今見てもかなり痛快である。
精神病院の場面では、爆笑することも忘れて見入ってしまった。ああ、なんて活き活きしているのだろーか。トニー谷とか出てるし。
●「華魁」(1983/武智プロ)
廓で何が行われているかの描写をあますところなく画面に繰り広げる…という意志が見える冒頭はともかく。最初から最後まで男と女の情事のシーンが続き、あまつさえ途中から“エクソシスト”になってしまう上(原作は谷崎潤一郎「人面疸」)、もう笑うしかないレベルに達する終盤で“怪作”というに相応しい作品であると納得できる。
冒頭のシーンにしても、扉のない鶏舎のようなところ(それこそが廓で、個室は特別なのだ)でエッチしまくる男女の様相をカメラが静かに水平移動して切り取っていく場面、当然ボカシもカメラの移動によって次から次へと現れては消え現れては消えということになり、シニカルかつ圧倒的な錯誤感漂う雰囲気に呆気にとられるばかり。坊さんがお経を唱えつつ性交しているのが、むしろありそうなシーンとして安心できるほどだった。
このまま廓内でのお話に終始するのかと思いきや、その後の展開たるやまさに常軌を逸していくというか何というか。最後に強引にミュージカル的な結末に落としこもうというのは無理があろう。
あれがHappy Endだと言われても、激しい反発と疑問符が心にわきあがるのを押しとどめることはできまい。などと言うのは野暮なのかもしれぬが。
それにしても地獄太夫はその後どうなったのであろうか…。
●「狼の紋章」(1973/東宝
平井和正ウルフガイ」シリーズの映像化作品。主演の志垣太郎が若い。さらに敵役の松田優作はこれがデビュー作品だとか。
都内の学園にやってきた人狼少年とヤクザをバックにした不良グループの対立、そして女教師とのやりとり。
とりあえずCGがいかに偉大な発明なのかを実感させてくれる。
人狼といっても出来が「風雲ライオン丸」並みであっては、なかなかにシリアスな場面が厳しいのである。(幼少時のイメージだと「怪傑ライオン丸」はまだ良かったが「風雲ライオン丸」の造形は子供心にもちょっと「?」だった。)
あと出てくるのが不良少女と銘打たれていても、セーラー服のスカートは長いし、髪は染めていないし、どこか懐かしい普通の少女らしさがあるように見えるのは気のせいか。
エロスとヴァイオレンスこそエンターテイメントとばかりに繰り広げられる物語展開、これが菊地秀行夢枕獏の作品(朝日ソノラマ文庫が出てくるのは私が中学生あたりの頃)に繋がっていくのではあろうけど。
オールナイト映画のトリだったので、半分くらい意識が寝ながら見ていた。