ばら物語(1) -Tale of Rose Knight- 滝沢聖峰 大日本絵画

16世紀のイタリア戦争を舞台に、イタリアに侵入したフランス軍とそれを防御する教皇軍(ミラノ公国)の衝突という大きな絵を描いている。
教皇軍の配下にはドイツ傭兵部隊あり、セッシア都市国家群あり、フランス軍にはスイス槍兵がある。決して一枚岩ではないし、兵は俸給なしには動かない。
一応、視点は教皇軍のドイツ傭兵部隊(ランツクネヒト)ルカ中尉にあるとはいうものの*1、実際は同じ教皇軍配下のセッシア都市国家同盟(女)騎士団長ロザリアに焦点は絞られている。
彼女の立場は微妙で、フランスへの堤防たるの実力を示さなければ教皇軍に見放される恐れがあり、それはひいては同盟の崩壊に繋がる状況にある。
なおClass構成は、Marshal/Cavalier/Legendary Leaderといったあたり。
彼女の何やら曰くありげな妹は、同じく戦場でドイツ傭兵・黒ツンフト(大砲ギルド)の女マイスターをやっている。名前はローザ。
かくして物語は2輪の薔薇の出会いで動き出す。
マイスターローザのClass構成は、大砲をどう表現するかで違ってくる気はするが、Marshal/TargetteerであとSiege Weapon指揮系の何かであろうか。
背後の政治も扱いつつ、当時の戦争の有り様を描き出すその手腕に、歴史好きにはたまらないものがあろう。
誰かDnDでこんなシチュエーション、やらんかしら。まさしくHeroes of Battleがお役に立ちますという感じ。Red Hand of Doomが雰囲気的には近いけど、Mass Combatがしたいってことなのかも。
とりあえずオススメ。

*1:著者後書きによれば、主人公とある。