■双葉社 マエストロ 3 さそう あきら
迫力満点、堂々の完結。凄いや。
個人的には島岡さんのエピソードが味わい深いと思う。
管楽器奏者の命である歯並びを、愛する孫の駄々によって悪くしてしまったときの目つきが痺れる。
アクシデントとはいえ、愛する他人に自分の根幹に関わるものが突き崩されたときのやるせなさはないよな。
そんなこんなを飲み込んで、音楽を演奏する喜怒哀楽すべて詰め込んだラストは心動かされる。
真剣だ。真剣勝負ならぬ真剣人生なのだ。
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音楽を演奏する側にいないゆえ少なからぬ羨望を込めつつ、そう思った。