Strike Witches 8

すげーっ! なんつーか、格好だけが異常な、戦場浪漫シリーズを視聴しているかのようであった。
前回までの男性視点不在が嘘のように(まあ初回とかあるけど基本Witches内部の話のときはなかった。というか今頃初回赤城の話を繋げてくる。)、Witches周辺に点在する野郎ども(整備兵、赤城艦長、赤城乗組員)との接触描写を重ねる。
というのもミーナ中佐当番回だからで、彼女の過去には戦争悲恋物語とでも言うべきオトナのエピソードがあり、Witchesが男性と極力接触しないようにという規則を頑なに守る点を強調したかったからだ。
それはともかく。
1995年に「新世紀エヴァンゲリオン」で、次々やって来るどんな能力を持っているか分からない使徒を迎撃したNERVの面々同様、Witchesもネウロイがどのような戦術コンセプトでやってくるかはまったく分かっていない。
毎度毎度工夫を凝らしたネウロイで楽しませてくれる状況はあの1995年の視聴状況に酷似している。いや戦略として敵の戦術情報が直前まで不明というのは非常にマズいのだが話は盛り上がる(島本和彦を連想「お客さんは沸く」by燃える!女子プロレス)。
で、今回はコアを察知しにくいように分裂して210機相当でWitchesを翻弄する。
ここでの描き方が素晴らしい。
各機がダイヴ(反転急降下)突撃に入るときに一回背面に入って捻りながら降下していく様が、いかにも戦闘機隊の突入であるかのようだ。その後210機というか周囲が敵だらけの中で各機が持ち味を生かしての空戦が繰り広げられる。
いくつかの空戦の嘘、たとえば装弾数だとか、死角だとか、空中機動だとか、そういった面はあるにせよ、十分に緊張感溢れる戦闘場面に仕上がっている。
で、話はここでは終わらない。
敵を倒した後で坂本美緒の魔法防壁は、爆発四散した敵の破片を防御できずに貫通するという描写が入る。
戦勝に沸く他のWitchesと対照的にミーナ中佐は坂本少佐のこの場面に衝撃を受けている。
で、己の過去を確かめにパ・ド・カレー(ガリア[フランス])に赴いて、今はなき恋人が自分に贈ろうとしていたドレスを発見する。
ここでミーナ中佐の過去が展開される。
注目すべきはWitchesとして戦場に立つ決心をするときドレス(スカート)を暖炉で燃やすという描写になっていることだ。
このパンツ丸出し恥ずかしくない世界では、スカートを捨てることこそ雄々しい英雄的な行為だったのである!(JoJo的にズギャーンという効果音が入る)
少女よ、スカートを捨てよ。戦場に立とう! である。
その後態度が軟化したミーナ中佐は、坂本少佐、宮藤芳佳、リネットに赤城との見送りを許可し、自らはドレスを着用してリリーマルレーンを歌い上げるのだ。
素晴らしい! リリーマルレーンですよ。(ハンス・ヨアヒム・マルセイユはどうした?)
そして最後にミーナ中佐は、失うのが怖いから好きにならなければ良かったという考えが間違いだと言葉にする。
でも失わない努力をすべきだと坂本少佐に拳銃を向けるのであった。
これはたぶん、坂本少佐の魔力の衰えを戦場で認識してしまったがゆえに、力づくで前線指揮官から外そうとの意思表示なのであろうか?
ああ、少女のパンツやスク水や勇ましく空飛ぶ様を追っていてもそれなりに楽しいのに、ここまで色々と詰め込んでくれるとは感謝の極み。次回、坂本美緒はミシェル(マクロスF)のようにはなりませんって! いやたぶん、maybe, perhaps…。