Read or Die [OVA]

読子リードマンの話かと思いきや、根谷美智子の話だった。
・3巻は色々なオマージュが垣間見られる。オネアミスの翼(ロケット発射)、カリオストロの城(平賀源内と歯車などで死闘/2巻のガンジス遺跡も)、スターウォーズ(エレキテルソードとペーパーソードの一騎打ち)、ダンガードA(宇宙船にパイプオルガン調)、不思議の海のナディアっぽくもある(ロケット内のやりとりは何か他の作品があった気がするけど思い出せず)。無論、おいらの独断と偏見。
・流石に2001-2002年のOVA作品ともなると、画面の緊張感だとか人物の描写だとか動きだとかは高水準。アイデアとそこからくる動きを丁寧に追っている感じ。
・話的には結構破綻してるけど(ナンシーの扱いとか)、見せ方と読子の天然さで押し切ってしまっている。
秋葉原とかインドニューヨークとか、随所に「KURATA」の表記が見える。宮崎駿のお遊びの流れ(作品内の広告とかに制作サイドに関係する名称をもじって使う)であろうか。
・偉人たちを見ていて「ジャイアントロボ The Animation 地球が静止する日」をも連想。ただ今川作品ほどにあくの強いものになっていないのは、映像もさることながら声優起用も大きな要素であろう。青野武飯塚昭三秋元羊介若本規夫あたりを起用するだけで別の作品になりかねない。最近だと立木文彦が加わると碇ゲンドウ新世紀エヴァンゲリオン)ではなく長谷川泰三銀魂)を連想するので、それはそれでまた別の作品になり得る。まあ偉人たちのアレンジの仕方は「サクラ大戦」寄りであろうけど。>文系に拘ってまとめた…という倉田英之氏の発言。
・権力者の失禁シーンがかなり精緻に描かれている。しかも何度も登場する。
・見直すと1巻の冒頭の読子の鼻歌でネタが開陳されているのね。
・オーディオコメンタリーでもあったけど、神保町の再現性は凄い。確かにあの交差点周辺の描き方は現地を知っているだけに、心にくるものがあるな。
・しかし、ニューヨークとロンドンにロケハン行けなかったからって、「ゴジラ」からニューヨークの街並みを持ってくるってのは、どうよ? ロンドンの大英図書館も今は映像のような場所にはないとのこと。
・制作者も絶賛の1巻、なかなかに楽しめました。倉田英之ほか(監督:桝成孝二とか)のオーディオコメンタリーも色んな映画にインスパイアされて構成されてたり、30分に詰め込めるだけ詰め込んだ贅沢な一本ということが分かって、よし。
[追記]2008/08/31
・偉人要塞やリリエンタールの飛行機械(オーニソプター)など、メカ設定やそれを絵として仕上げた美術や複雑な機構を動かして見せた動画担当など、ちょっと目を見張るものがあったなあ。眼福である。