BSマンガ夜話「よつばと!」メモ

・三夜(ハチワンダイバー蒼天航路よつばと)の中で一番面白かった。
長谷邦夫さんのBlogコメントで触れられていたけど、NHK伊藤剛氏に出演依頼して、岡田斗司夫氏の横槍があって出演取り消しになったとかいう件。なんだかなあという感じ。
あずまきよひこの凄さ。「あずまんが大王」という、あるコミュニティで受け入れられる作品から外に出て、多層的に読める作品(普通に読んでも面白い。物語も内面もない記号的なキャラをリアルに感じさせる構造になっている>すなわち読み手に委託している独特な作品)に挑戦した点。作家的な成長視点で、いしかわじゅん氏の評価高し。その作品の有様は「ぼのぼの」(いがらしみきお)に類似。
岡田斗司夫ケロロ軍曹に近い」ガンダムオタク文化を取り込んでいる。>「よつばと!」は? 構造分解まではしていない。
・著者が意図的にとある雰囲気を伝播させる作品を提供する場合(読者の読み方を網羅している点)、著者の手のひらの上という感じがして、自分はちょっと距離を置きたくなるなあ。
・現実と違う日常の輝かしさ(純粋無垢さ)を伝えるための仕掛け(いしかわじゅん)がされている。これを自覚的にやっている。
・感性と技術が高く、読み手のリテラシーを要求しない(岡田斗司夫)。
・「Dr.Slump アラレちゃん」も同系統の作品。
・(今の)空気感つくるのに苦労している。10年後も同様に読めるのかは疑問。=>でも2003年から5年間継続している作品だと考えるとどうか? いやこの5年間が基本的に相当に酷い世の中の推移をしているとも言える。
あずまきよひこ「物語(意味・人生)はいらない。でもキャラクタは生きていてほしい」>記号的なキャラクタ、それゆえに無垢。なんでも楽しめる。無敵だ。
・記号的なキャラをどうリアルに感じさせるのか? 台詞・モノローグなし。物語つくるために省略しなければならないが、それが必要ないのだから、動作を克明に追って描写していく。
・ということはコマのカメラを意識したレイアウト、背景を細かく描くことが必要。
・描くのは、よつばと関係性の強いもの、一緒に遊んでくれる人たち。省略すべきは、よつばと遊んでくれない楽園には存在できないもの。省略を意識させないような見せ方を考える(風香が失恋する場面>よつばとの人間関係が変化するような要素もオミット)。
・「楽園」ごっこに即応してくれる相方というのは、どこかにいないものかね。綾瀬家の雰囲気って、それだよな。
・自己主張するキャラいない。鼻の穴がないキャラは記号。(いしかわじゅん)<「よつば」は鼻もない。
・家族ではない。保護者? よつばはペット?:こういう読み方もできる。感性に依っているので。>夏目房之介「もっと抽象的なもの」存在しないと寂しいでしょ?
・家族を失った現代人のリハビリマンガ(岡田斗司夫
・多面的な見方をすると当然、ヤバい話も出てくる。家族という切り口だと怖くなってくる。
・フィクションのキャラクタだけど、生きていくのに一緒にいた方がいいでしょう?(Ghaeleとか!) というあたりを示唆。
・真崎守をひいてくる(いしかわじゅん)。背景克明、マンガキャラを採用といった流れは昔もあった。青年マンガと少女マンガの融合(岡田斗司夫)。