Strike Witches 最終話

この作品を、いろいろと御都合主義の極みと評することは簡単であろう。
そもそも予備のない航空部隊がどのような末路を辿るのかは、「瑠璃の翼」(山之口洋)を参照するまでもなく明らかだ。
とくに話の上で問題(笑)なのは
秋元洋介にしてはあまりにも簡単に魔女にしてやられた点
バルクホルンかミーナは宮藤の行動に問題提起する位置づけを保つべきではなかったかという点
ネウロイって何だったの?的な問題をそのままにしてガリア解放がされた点
・最後に漫画版(?)との接点を無理矢理もってきた点
でも、そんなことは「パンツ」しか履いてない魔女、もしくは「バカには見えないスカートなりズボンなり」を履いている魔女には、通用しないのである!
注目すべきは物語の細部ではないのだ。
ルッキーニの縞パンであり、芳佳のスク水であり、大空を翔るけったいな魔女どもにこそ注目すべきではないだろうか。というか君はどの魔女が好きかね? んー、おいらはDo335を装備した最新型の魔女をご要望だ。Scytheを主武器にするってぇのはどうだろう?
などと阿呆な会話をすることこそ、郷に入っては郷に従え的に正しいのだ。


それはそれとして。
赤城がなかなか沈まないなーと思っていたら、なるほど融合するために敢えて浮かせていたとは…やるなっ!
無論、爆撃機攻撃機を運用しないのであれば弾薬誘爆が起きにくいというのはあるだろうが、それにしても叩かれすぎではある。そして傾斜する甲板から海に飛び込むのは、沈没する側に向かった場合渦に巻き込まれて死にやすいのであるが、傾斜をまたいで向こう側にはなかなか飛び込めないのでそれが分かっていても沈没側に飛び込まざるを得ない。
そういった危険や、ペリーヌのその手の引っかけ方では普通は踏ん張れませぬなどと別な意味でハラハラしつつも、ペリーヌ&坂本少佐が助かる流れは、どう見てもルパン三世ではないかと思ってみたり。まあイタリア出身のルッキーニ(斉藤千和)がかんでいるからいっか。いいのか?
あとリネットの走る様は胸を突き出すような見事な女の子フォームでほれぼれするぜ、などと。
相変わらず魔女の髪のなびく様は、火線を避けて躍動する少女の動きと共に、特定の視聴者に「美少女・戦闘・物語は添えるだけ」という基本を告げているようだ。
怪力バルクホルンが格納庫を封鎖している鉄骨をバックドロップっぽく投げ飛ばすあたりから好き放題、赤城が敵と融合して雲海を飛翔したり、各機が赤城を攻撃するのはともかく、ついにルッキーニの必殺技(シャーロットに投げ飛ばされて自らが弾丸になって相手を貫通破壊する技。魔法障壁を徹甲弾の被帽のように展開している)も飛び出し、盛りだくさん。
いやしかし、この作品が正統たる所以はおおまかに「強大な敵との交戦」>「総員退艦」の台詞>寡兵をもって勝利を得るという展開にある。
宇宙戦艦ヤマト」から「トップをねらえ!」あたりを経由して「Strike Witches」にまで、あと松本零士を少年時代にたしなんでいると、「総員退艦」の台詞だけでもう心が一杯になってしまったり。
ともかくありがとう、Strike Witches! わずかな話数でありながらここまで「魔女(美少女)は素晴らしい。空を飛ぶ魔女はもっと素晴らしい。そしてパンツだけの魔女は最高に素晴らしい。」と、“素晴らしいとは、こういうことさ”心の宮崎駿がニヤリと笑う一品に感謝する次第であります。