ハンスの帰還

いい機会なので読み返してみることに。いろいろと面白い。
4号戦車は1937年から火力支援戦車として登場するも砲塔直径の大きさから主力戦車の任を背負わされ、改造につぐ改造で自重が17.3tから25t(1944-1945時)にも増加している。
大戦末期には「ないよりマシ」な戦車となっていたとか書いてあるな。それでもヘッツァー(棺桶戦車)よりはマシだと思うが。
ちなみに4号J型の路上最高速は38km/hとなっている。徹甲弾87発搭載していて、一発あたり15kgもあるので、弾薬だけで1.3tもあることに。
こういった戦車漫画にも関わらず、少女(ローザさん)を戦車に引き上げて乗せる場面を4コマも使って描き、「この非常時にと思わないで欲しい。エンジンオイルのにおいしか知らないハンス(豚・戦車整備兵長)が、いまはじめて乙女のかおりを知ったのだ!」とコメントすることを忘れない。やっぱり宮崎駿は偉大である。
戦車指揮官の立ち位置で赤いスカートをソ連空軍に向けて振る少女の姿を、相手パイロットが赤旗を振る同志と見間違えるくだりはまさに爆笑モノだ。
ひたすら米軍陣地を目指すハンス一行、ついには民間人を山ほど乗せたまま、ソ連戦車部隊と交戦することに。射線のかわし方が素晴らしく、さらに砲口から覗いて照準をつける荒技まで披露。
いや戦術的なことはすべてドランシ(髭豚・予備大尉)がやっているのであるが。
くっそー、まったくもってエエ話だ。
しかるに四号戦車の改造コンテストの2ページの壮絶さを反対側に置いてバランスを取らねばならぬのである。
結論としては…彼女と乗るなら最低5号戦車からってことにならないか?(どんな彼女だ)


<おまけ>
「狭いわね…」
「そりゃ戦車だもの」
「臭いわね…」
「そりゃ戦車だもの」
「寒いわね」
「そりゃ東部戦線だもの」
じっと私をみつめる彼女。
そしておもむろに…Alternate Form!
“Light Rayで砲撃した方がよくない?”*1
いや、せっかく戦車内での密着が素晴らしかったのに。

*1:「ハンスの帰還」物語中では射距離700mで砲撃戦していた。2300ftくらい? Light Rayは300ft Rangeなので90mか。DRは貫通してもHardnessは無効化できないので随伴歩兵相手ということに。