3.5e Protective Auraの誤解

Ghaeleを扱うにあたって、悪名高いProtective AuraのGlobe of Invulnerability(SRD)部分の確認をした。


An immobile, faintly shimmering magical sphere surrounds you and excludes all spell effects of 3rd level or lower.
動かない、かすかに輝く魔法の球体が術者を覆う。3レベル以下の呪文を締め出す/遮断する(Suppressとは書かれていない)。
The area or effect of any such spells does not include the area of the lesser globe of invulnerability.
3レベル以下の呪文の範囲や効果に、この呪文のエリア内は含まれない。
Such spells fail to affect any target located within the globe.
3レベル以下の呪文はGlobe内にTargetをとるような効果を及ぼせない。
Excluded effects include spell-like abilities and spells or spell-like effects from items.
それはSpellの効果を発揮するようなアイテムや呪文や擬似呪文能力について適用される。
However, any type of spell can be cast through or out of the magical globe.
けれども、どんな呪文もGlobeの外へ向かってTarget(or Point of Origin)をとったり、これを通過してTarget(or Point of Origin)をとることはできる。
Spells of 4th level and higher are not affected by the globe, nor are spells already in effect when the globe is cast.
4レベル以上の呪文はこのGlobeの影響を受けないだけでなく、Globeを張るときに既に効果を発揮している呪文も影響を受けない。
The globe can be brought down by a targeted dispel magic spell, but not by an area dispel magic.
このGlobeはTarget Dispelによって解除されるが、Area Dispelの影響は受けない。
You can leave and return to the globe without penalty.
術者はPenaltyなしにGlobeのエリアから離れたり戻ったりできる。
Note that spell effects are not disrupted unless their effects enter the globe, and even then they are merely suppressed, not dispelled.
Globe内へ向かった呪文の効果は壊れるのではなく、抑圧(Suppress)されるだけでdispelされるわけでないことに注意せよ。
If a given spell has more than one level depending on which character class is casting it, use the level appropriate to the caster to determine whether lesser globe of invulnerability stops it.
結果として、仲間の援護呪文をすべて抑圧するというのは誤解であることが分かった。
文章の流れからして、まず自分中心に防御魔法エリア(Globe)を発生したとき、そのエリアは3レベル以下の魔法を遮断する(excludeはゲームタームじゃないはず)とあり、遮断するとはどういうことなのかと続く。
3レベル以下の魔法を遮断するというのは、誰かが3レベル以下の魔法を唱えるとき、
●Globe内でTargetをとれない
●Area Spellの場合、Globe内はAreaに含まれない
ということを意味する。
なお、3レベル以下の魔法は
1)Spell
2)Spell-like Ability
3)Spell-like effects from items
の三種類が含まれている。
However以降には、これの例外事項が記されていると思われる。
・Globeから外への呪文投射はレベルに関係なく可能。(またGlobeはLine of Effectを遮らない)
・当然ながら4レベル以上の呪文にはGlobeはなんら影響を及ぼさない。
・そしてGlobeを張るときに既に稼働している呪文も影響を受けない。
大事なのはこの三番目で、あくまで時間軸でGlobeを張るタイミングしか言及していない点に注意。


以上から、次のように考えられる。
・仲間がMage Armorをかけた後にGhaeleがProtective Auraを発動すれば、Mage ArmorはProtective Auraに入っても影響を受けない。
・仲間が戦闘中Prayerを唱えたとき、GhaeleおよびそのProtective Aura範囲内にいるPCは呪文の効果を受けることはできない。
・Protective Auraの中でGhaeleはCure Lt. Woundsを唱えることはできない。Targetにとれないため。
つまるところ仲間にBuffをかけた後にProtective Auraを張りなおせば、仲間への迷惑は最小限におさえられるはず。実質影響あるのは3レベル以下のラウンド呪文であろう。
クリーチャーデザインとしては自らのSpll-like Abilityを阻害する能力なので、デザインミスなのは明らかであるが。ここでそれを言ってもはじまらない。


3.5eも終盤、こうした点につき検証するのは遅すぎるのだが、まあやらんよりはやった方がよかろう。
[追記]
Protective Aura運用としては以下になるはず。
通常、警戒モードでいるときには奇襲に備えて発動しておくべき。WarlockやSorcererの奇襲を受けたときに低レベル呪文がMetamagicなどで強化されていた場合の突発死を防げる。いや防ぐ可能性がある。
Partyの援護呪文をかけるタイミングでは必ずAuraを切っておく。起動するなら一番最後に起動すること。
Dungeon内ではケースバイケース。散開できない状況なら切っておいた方がよいかもしれない。
Party側が主導権を持って押していく状況には必要ないが、先に一撃を受ける状況にはあった方がよい。が、Close WoundsやEnergy Aegisの有用性を考えるなら、他のParty面子と適度な距離を保てるスペースがないと厳しい。
狭いDungeon内ではProtective Auraを切っておき、Magic Circle against EvilをEnchantして一部代用するオプションを用意しておくのは、落とし所としては良いのかもしれない。