NHK特集 わが青春の「トキワ荘」

わが青春のトキワ荘 [VHS]

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なんか唐沢なをき「まんが極道」よりも身に詰まされる話の展開である。
森安なおやは職を転々として妻子にも逃げられたと紹介され(Wikipediaでは1999年に他界とある)、水野英子は四日間徹夜で原稿執筆の様子を見せられ、なにやら赤塚賞佳作に入った青年はその後芽が出ず。ラーメンに卵を落とした食事がわびしい。
しかし画面は一転1981年に手塚治虫が「漫画は爛熟期に入った。今は退廃期に向かうか、ルネサンスに向かうかの瀬戸際」と集英社手塚賞授賞式で発言している場面に。
そして次のカットでは荒木利之(飛呂彦)氏の20歳の若々しい姿と手塚治虫が握手なんかしている。ちょっと感動した。*1
たぶん「バクマン」とか描いている小畑健あたりもこの辺の映像は見ているはずだよなとか、赤塚不二夫と一緒にアイデア出ししてたのは長谷邦夫であろうかとか、いろいろと考えさせられる。
1981年5月25日放送で、トキワ荘同荘会のときに森安「どれだけ生きられるか分からない」という話に、藤本弘が「(若い頃には)考えられないことが…」と返していた。Wikipediaでの居住者リストを眺めてみる。
手塚治虫 1928-1989(おいらが大学のサークルでスキーに行ってたときにテレビで訃報に接した)
藤本弘 1933-1996
安孫子素雄 1934-
赤塚不二夫 1935-2008
石森章太郎 1938-1998
森安なおや 1934-1999
寺田ヒロオ 1931-1992
鈴木伸一 1933-
水野英子 1939-
よこたとくお 1936-
つげ義春 1937-
時代の変遷に思いを馳せる…といった次第。

*1:1980年の「武装ポーカー」でデビュー。手塚治虫もかなり気に入っている模様。