THE ハプスブルク展 国立新美術館

Treasures of the Habsburg Monarchy
- 140th Jubilee of the Friendship Treaty
between Austria - Hungary and Japan


記念講演会には行けそうもないし、六本木に来るのが次いつになるかも分からんので、高嶋政宏の音声ガイドに案内されながらさっくりと鑑賞してきた。
音声ガイドを装着して歩いていると、「黄金の七人・7×7」で造幣局に侵入したサムが音声ガイドを聞きながら歩いている場面を強く連想する。
なんにせよ連休明けということでそれほど混んでいなかったのは、非常に助かった。学生カップルや老若主婦どもの会話も結局ノイズにしか過ぎないので、空いてるに越したことはない。
ざっと1500年代の絵画はまだ荒く、1600年代に入るとそれなりに精緻な描写になっていく印象であった。
あと肖像画の背景がほとんど黒で人物の髪や服装も黒っぽい場合がよく見られ、どうして境目があやふやになるような絵面にしているのか疑問に感じた。本当になんでだろ?
芸術といっても時代を経れば生臭さが抜けて本来の?面白さとか楽しさが浮き出てきて、なにやら漫画やアニメのよくできた表現もうまく枯れれば同様な含みを持つのではないか、どうだろう、と思ってみたり。
フランツ・ヨーゼフ1世&エリザベートに日本から贈られたという「風俗・物語・花鳥図画帖」が特別出品されており、これは今回はじめて里帰り展示されたというが、瑞穂蒔絵棚、四季花鳥山水蒔絵棚とあわせて、普段は感じることのない心の奥底にある日本への思いを揺さぶられるのであった。原風景への郷愁ってやつだろうか。
関係ないが、展示されていた「黄金時代の愛(Love in the Golden Age)」には、素っ裸の若い男女が肌をあわせている図のみならず、幼男・幼女が描かれている。
幼女の陰部もそれなりに描かれており、別に劣情に走るものもなく皆感心してこの絵を眺めているあたりが面白かった。
ともかく15時〜17時過ぎまでゆっくり鑑賞できたのは幸いであった。
ハプスブルグ家の肖像画(ルドルフ2世)からはじまり、イタリア絵画、ドイツ絵画、工芸・武具、スペイン絵画、フランドル・オランダ絵画と分かりやすく展示されていたのも個人的には良かったか。


●帰りがけに正門から
佐藤可士和の超整理術」を読んでいたため、国立新美術館のロゴがどういった経緯でこのようになったのか知っていたので、実物を前にするとそれなりに感慨深かった。

●ハプスブルグ展記念メニュー
給料日だったので、おのぼりさん気分で注文してみる

●前菜?

●メイン

●デザート



そういや「リベリオン」で感情を刺激するという理由で絵画なぞは焚書にあって絶滅間近…という映像を目の当たりにした翌日に、美術館で絵画鑑賞というのは結構刺激的な気がする。
もうちょっと敏感な人間なら、劇中で感動に戸惑う登場人物のごとく心が動くのかもしれないが、おいらはそこそこ冷静であった。美的感覚が鈍いからだろうか。