DAC D20紳士シリーズ3 "The SilmaMillion"

今年で三回目。
●2009年度
http://d.hatena.ne.jp/karakuriShino/20091122
●2006年度
http://d.hatena.ne.jp/karakuriShino/20060916


自分が今年紳士だった点。
「すべてのエラドリン娘は俺の嫁」と駄々をこねなかったところ。



DM: カヅサツさん
[Melee Striker] 独楽屋さん “眠れる獅子”ココマヤ Human Thaneborn Barbarian(Warlord Multiclass)-5
[Ranged Striker] 松井さん ケイン Elf Archer Ranger-5
[Defender] 植埜さん ラジニ Human Fighter(Warden Multiclass)-5
[Controller] さぼりっこさん デルヴェン・シャイニングブラックスタッフ Human Wizard(Staff of Defense, Shaman Multiclass)-5
[Leader] からくり ロード・バルゴ・ボンゴレ Human Valorous Bard-5
▼ラジニはこんな人

今回一番仕事した人。Fighterの敵を拘束する力は非常に頼りになった。
▼さぼりっこさんはこんな人
卓で自己紹介するなり、デルヴェンの持っているDefensive Staff+1は「いんてりじぇんとあいてむですから」とのたまい、持参の「Powerを使うときにStaffがこんな台詞を喋ります表」を提示する。
「ああ〜当たっちゃう」とか「ねばねばの液が〜」とか、エロい台詞を美人声優に喋ってもらおう企画(例:ハムスターの名前が乳首@みつどもえ)にありがちな文字が躍っている。
それだけならともかく「自分は紳士的なPlayerですので、こんな台詞を口にするわけにはいきません。すみませんが松井さん、この通りの台詞をロールプレイしてくれませんか」(意訳)とまでおっしゃいましたよ。
このロールプレイが楽しくなって(?)松井さんは自分のキャラクタのElven Accuracyを最後まで忘れていたという話。なんじゃそりゃー!(by 松田優作


■妖精郷よいとこ一度はおいで
かくして混沌としたシナリオに混沌とした面子が揃ってサバトという名のセッションが開始される。
話はThe World(Material Plane)で迷子になっていたエラドリンの娘さんを我ら冒険者がFeywildのとある氏族に送り届けて歓待を受けたところから始まる。
いい加減お世話になりっぱなしの生活をあらため元の世界に戻るため、満月の日にPortalが開くというFey Crossingで待機していると、なにやら高揚興奮して艶めかした完全武装のエラドリンの娘さんたちが近寄ってくる。
「どうしたのですか?」
「ああ、もう我慢できません。お前は私のものです」
全然かみ合わない会話、というか中学校英語の教科書New Horizonに出てくるような応答だ。
しかも視線はこちらの股間に釘付けという。
先頭の女騎士がラジニにFeywild Challengeを仕掛けてきて戦闘となる。

Female Eladrin Fey Knight (7th Soldier[Leader]) "フェアノーラ"
Female Elf Scout (2nd? Skirmisher) * 2
Female Eladrin Arcane Archer (5th Artillery) * 2
ラジニとココはSummoned Armorなため戦闘開始時には基本腰蓑一丁という状態だったとか*1、デルヴェンが「妹を呼びます」とCall Spirit Companionをしたり、今まで一緒に冒険続けてきたはずだが実際のセッションは初めてなため衝撃の事実が次々と明らかになる。
戦闘は冒険者側が近接攻撃主体なのと近い敵から倒していく基本方針を貫いたため、高台を占めるEladrin Arcane Archerとの削りあいといった状況になる。
相手の攻撃力は半端なく、ボンゴレのMajestic Word, ココのInspiring Wordも使いきり、Rain of Steel(D)を投入したラジニがHeal CheckでDyingとなったココのSecond Windを起動させたりしていた。遠間から確実にダメージを与えるPowerデルヴェンのFlaming Sphere(D)がジリジリと敵を追い詰め、何とか緒戦に勝利したのであった。


Short Rest後、彼女たちを武装解除してロープで拘束してから話を聞こうとするが「後生ですから私たちの身体の火照りを鎮めてください」とばかりに潤んだ瞳と妖しい息遣いで我々紳士的な冒険者に訴えかけてくるのだった。まずはそちらが急務ということらしい。となれば人道的な見地からも対応せざるを得まい。人数も5人と5人でちょうどよい。
デルヴェンのみ最後まで抵抗していたものの、結局縄を解かれた娘さんにのしかかられてヤられる羽目に。
当人曰く「紳士を貫くロールプレイ」であったが、これは確実に紳士を貫くロールプレイを責められるのを楽しむプレイであった。


それはともかく。
ようやく冷静に話ができるようになったので聞いてみるに、彼女たちは薄闇の妖精族であり、秘宝シルマミルの3つの宝玉を盗まれたため一族すべてに淫らな呪いがかかってしまったのだという。すなわち定期的に殿方と合体せねば狂気に侵されて死に至るらしい(たぶん。
宝玉を盗んだ相手からはすぐに連絡があり「秘宝を取り戻したくば族長一人で洞窟にやってこい」とのこと。当然罠以外の何物でもないので宝玉奪還部隊を差し向けるも甲斐なし。
ついさっきまで情を交し合った美しい娘さんから「助けてください。秘宝を取り戻して…」と言われれば、紳士としては承諾以外の選択肢はないのであった。


■史上最低のSkill Challenge
すたこらさっさと北へ8マイルばかり行くとくだんの洞窟があり、てれってーと進んでいくと鍵付き格子戸のある道と先に続く道の二差路に出る。
紳士にも関わらず「着用されている女性の下着を掏る」という文章としておかしいが意味合いは通じる行為のためにThieveryに特化したRangerのケインが、Heroic Tierには見られない難易度(DC30)の鍵を開ける。
そちらの道を行くと、巨大なベッドに横たわる目に包帯を巻いて節くれだった巨人の姿が目に入る。どうやら眠っているようだ。
プレイヤーにはFomorianだと分かるものの、キャラクタの知識ではそんなことは分からない。ただ戦ってはいけない相手と分かるだけである。
部屋には机があって書類が散乱していたので、Mage Handでこれを回収して調べるに、どうやらシルマミルの秘宝についての文献情報らしい。
あと壁はうら若いエラドリン幼女(DM主張するところの妖女)の姿を様々な画風で描いた絵で埋められていた点が、Fomorian界のカズフサ@田丸浩史なのではないかと思わせた。
いろいろ話し合ったものの、もう一方の歌声が聞こえる道を行くことにする。どうやらHarpyがお待ちかねらしい。


そして我々はMedium SizeはSqueeze状態(Attack -5 Penalty, Combat Advantage提供)となる微妙な深さの溝が縦横に走る大きな部屋に出る。
つまりHarpyの歌声で引き寄せて溝に嵌めImmobilizedにしてから料理しようという腹である。いやらしいのは、溝の深さが3ft.ということで落下するわけでもないゆえ危険な場所への強制移動時に行えるSTが振れないことであろう。

Harpy (6th Controller)
Quickling (? Skirmisher) * 2
Gas Trap
いろいろと足止め要素が盛りだくさんなところに、Quicklingが好き放題に溝を走り回って出血を強いるという非常にタクティカルな戦闘となった。
ボンゴレはGas Trapのあるマスに入ってしまって精力ガス噴出により思わず一発抜いた挙句にDazedになったりしたが、ラジニが一気に突出してCombat Superiorityによる機会攻撃でQuicklingの動きを封じ、遠隔攻撃持ちがこまめにダメージを積み上げて状況を打開するのであった。機動力のないMelee Attackerにはツライ戦闘だった。
捕まえたHarpyをケインが落ちていた羽根でくすぐり尋問しようとするが、このHarpyも例によって欲情しており、ココによって鎮静の儀式を執り行うことでようやく話を聞くことができた。
彼女の話によれば、先ほどのFomorianがEladrinの薄闇の妖精族を襲撃した際、族長の娘に一目惚れして嫁にしたいとしたところに今回の事件は端を発するようだ。
なるほど宝玉を餌に幼い外見の族長をおびき寄せて無理矢理嫁にしようという魂胆か。
さらにFomorian種族からすればEladrinを“嫁”にするなどあり得ず、異端者として目をくりぬかれて追放された身らしい。その傷からいったん眠るとなかなか起きないとか。
Harpyもひとつ宝玉を所持していたので回収する。なんかヌルヌルしてるんですけど。ローション?
これを調べてみると以下のことが分かった。
シルマミルの宝玉はArchFeyである心結びの君という愛と美を標榜する妖精によってつくられた善なるものだが、なにやらFeyではない邪悪なものが関与したためにこうしてヌルヌルしていて持ち主を淫靡な気分にさせるものとなったようだ。それが分かったからといって邪悪を取り除く手段があるわけではないので、流れるまま流されるままなのは変わらない。
去年、一昨年のセッションを潜り抜けてる身としては、同性に欲情しないだけまだまだ良心的な設定だとは思う。いやそう思うってことはかなり毒されてるのだな。冒険の恥はかき捨てとばかりに出てくる女性と性の宴を繰り広げているだけなのは如何なものか。


閑話休題
というわけで我々は宝玉を所持しているはずのFomorianの部屋へと向かうのであった。
大事な宝玉であるからして肌身離さず持っているはず。Stealthの高いケインが静かに近づいて得意のPerceptionで確認し、そっとFomorianの衣服をめくってみる。
するとGiantに相応しい男根が屹立していて、どおくまん「花の応援団」で描写されるような黒くて太くて丸太のようなイチモツが視界に入るのだった。
よくよく見ると(見たくねー!)その男根に、これまたヤクザの方が埋めていらっしゃるような真珠?のようなイボがもっこりと。

DM「すきるちゃれんじー!」
Player一同「え?」
DM「だ・か・ら、宝玉を取り出してゲットするためのSkill Challenge」
Player「それはHeroic TierのPCの前に現れたParagon TierのFomorianから宝玉を奪取するという、Power Play視点で見て酷い話ですよね?」
DM「Fomorianは眠っています。目はくりぬかれて包帯が巻かれいます。なにより戦闘ではなくSkill Challengeです」
Player「現実を直視するんだ。俺たちは眠る巨人の極太の男根に埋め込まれた宝玉を、なんとかして取り出すというSkill Challengeをしなければならないんだ!」「ええっ!?」「なんだって!?」
といった情景が一瞬のうちに映像として立ち上がってくる。
MMRでさえこんなヒドイ戯言に相槌はうたねえ。
まず全員がStealth CheckをしてFomorianを起こさずにベッドの周辺に集う。
そしておもむろに各自前代未聞のSkill Challengeに臨むのであった。
植埜さんは冷静に「そのExotic Weaponは鞘に入ってますか?」と指摘して皆の緊張をほぐす。いやラジニの台詞というより植埜さんの表現が面白かったのだな。
すでに鞘走った状態にあるということでFomorianが淫夢に浸っていることは確実と思われた。
デルヴェンがArcana Checkで宝玉と宝玉が引き合うということを指摘、ココがAthletics CheckでFomorianのイチモツを支え、ラジニがHeal Checkで痛みの少ない取り出し方を考え、ボンゴレがFomorianの耳元で淫夢を深めるBluff Checkを行い、最後にケインが得意のThieveryにて宝玉奪取を試みる。
1d20[20]!
いやみんなの協力が流れるように進み出目も最高の結果で、祝福し健闘を称えあっていいはずの場面であった。
だけど不細工で醜い巨人の下半身相手に包茎手術の医師よろしく真剣な表情でのSkill Challengeは、たぶん世界広しといえども我々が初めてであるに違いない。Wizards ot the Coastも吃驚だ。


■俺はDevil娘の下着を剥きたかった!(意訳
最後の宝玉を求めて洞窟の奥に向かう冒険者の面々。
Harpyの話から女盗賊が最後に控えているという話であったが…。洞窟最深部は熱い部屋であった。
Fire Resistance持ちと思われるクリーチャーが展開しているのではないかと思われた。

Succubus (9th Controller)
Female Tiefling Darkblade * 2 (7th Lurker)
Legion Devil Grunt * 4 (6th Minion: お代わりアリ)
このままでは抱え落ちすると思われたので、ボンゴレはSong of Courageを早い段階で使い、その後Verse of Triumph(D)も投入する。手番も遅く接敵しないと攻撃的なPowerが使えない身で、どの遭遇も容易に接近できないつくりになっているので戦闘では正直あんまり貢献してなかった感じ。出目も悪く、Shout of Triumph(E)のEffectでBlast3範囲内の味方を3マスSlideくらいしか能動的なことはしてなかったよなあ。
戦闘全体の推移は、デルヴェンが他の敵をひきつけていた間に、残りの面子でSuccubusを叩くといった流れ。
いくら防御型のWizardとはいえ囲まれるとキツい。すぐさま戻って残敵をも叩くのであった。
宝玉はLegion Devil召喚装置の鍵となっており、これを回収すると召喚装置も止まった。
最後にTiefling娘を峰打ちにしたときにあわせて下着を脱がすThievery Checkまで成功させたケインは、相棒たる短剣*2を中心に両側に2つの宝玉を配置して擬似股間を形成しつつ?、呟くのだった。
「俺、本当はSuccubusの下着を剥くつもりだったんだ…」
Devil娘は倒されるとNine Hellに御帰還あそばされるということで、ケインの夢は夢のまま終わったのだった。
このとき3つ揃った宝玉の暗黒面の効果が発動し、5人の冒険者は横たわるTiefling娘2人と何が何でも結合せねばならぬ欲求に駆られる。
全員がEnduranceの続く限りくんずほぐれつの気絶するまで無制限勝負を繰り広げるのであった。*3
前衛が先に果て、WizardのデルヴェンとBardのボンゴレが最後まで腰を振る。まるで立川流密教)の俗説のごとく、なにやら最後には即身成仏の境地に達せられるのではなかろうかと錯覚するほどであった。
果てしなく続く宴も終わりはある。7回目のEndurance Checkでようやく二人は互いに賢者モードへと移行して意識を失うのであった。
なにやらライバルの存在によって互いに高めあう二人といった情景であったが、やってることは本能と欲望の発露なのであった。
気が付くとみんな全裸でシルマミレとなっており、Tiefling娘の“まんざらでもない”描写があったものの、己の中の紳士に従ってデルヴェンが「責任とって君たちと結婚する。中近東的に」と宣言する。重婚だよ重婚。
いきなり結婚式となり、ボンゴレは結婚行進曲を奏で、揚々として帰途に着くことに。


■宴は続く:Every Sperm is Sacred
薄闇の妖精族との会合を目指して街道を行く冒険者たちの前に最後の敵が立ちふさがる。
それはまさにこれから3つの宝玉を届けようとしていた妖精族族長にして幼き外見のエラドリン娘、ガラロリエルその人だったのだ。
もう出てくる娘出てくる娘軒並み若く美しく発情しているというd20紳士の法則に従って、このロリさんも呪いの影響で見境がなくなっていた。
d20紳士的に素早く保護して治療行為に及ばねばならない。

Female Eladrin Twilight Incanter (8th Controller) "ガラロリエル"
Dryad (9th Skirmisher) * 2
Adult Faerie Dragon Windgleam (4th Lurker)
Wood Woad (8th Soldier)
足止め効果を織り交ぜたイヤな攻撃を受けつつも冒険者はまずDragonを集中して倒す。
ロリさんに肉薄しようとするもWood Woadが橋の上で長坂坡の戦いの張飛よろしく頑張る。
これをラジニのTide of Ironでこじ開け、ImmobilizedになったもののボンゴレのShout of Triumphで前線まで到達することに成功する。
例によってデルヴェンのFlaming Sphereも大活躍し、最後の最後でココのRageが入って勝利するのだった。


戦闘後デルヴェンは「私は妻がいますので…」とロリさんにSacredなSpermを注入して正気づかせる任務は他に譲る。
いや、なんというか、倫理を旨とする紳士たらんとするのはよいが妻が二人ってあたりで既に破綻してるのがおかしい。中近東では重婚オッケーという言い訳は「マカロニほうれん荘」のキンドーちゃんが「南洋じゃ美人」という引用並みに流れるようなギャグの一部となって、さらにおかしみを増す。
こちらは「結婚するならTieflingよりEladrinだろう」などとどーでもいいことを思っていたので、早速ガラロリエルにルパンダイブをかますのであった。
心臓停止状態の患者をAED使って蘇生させるがごとく、我々は車懸りで聖なる精子にて彼女を蝕んでいた呪いの浄化に専念するのであった。
その甲斐あって意識を取り戻した彼女に、ボンゴレは最高の笑顔とともにWord of Friendship付きのDiplomacyで生還を祝うのであった。*4
「おはよう。君も今日から大人のレディだ」


<それからどうした?>


正気に返ったガラロリエルは薄闇の妖精族の里にまで我々を案内してくれ、秘宝シルマミルの宝玉3つを奪還した英雄として歓待してくれた。
絵面としては、今回登場したエラドリンの娘 Female Eladrin Fey Knight"フェアノーラ", Female Elf Scout, Female Eladrin Arcane Archer, Female Eladrin Twilight Incanter"ガラロリエル"以下カキワリのエラドリン娘をはべらした冒険者が元の世界に帰ることなく妖精郷で楽しく暮らしました的な場面でめでたしめでたしなのでありましょう。
もっともWizardのデルヴェンだけは里の端っこにもらった家で、二人のTieflingの奥さんと紳士の矜持を保とうとするもなし崩しに楽しい暮らしをしていたに違いないですが。
DM曰く「かくして君たちは冒険を通して互いの絆深まり、(穴)兄弟となったのであった」どんなエンディングじゃ。


エンディングテロップではMonty PythonのEvery Sperm is Sacredが流れる。
Monty Python "Meaning of Life"より
http://youtube.com/watch?v=47P59ha9k9s
●こんなのもある
http://youtube.com/watch?v=sL5MKt2oHIE&feature


参加されたプレイヤーの皆さん、DMのカヅサツさん、ほかスタッフの方などお疲れ様でした。
楽しいひと時を過ごせました。またどこかで御一緒する機会あればよろしくです。


最後にフェリーニの作品「8 1/2」から(一部嘘。
「人生は裸祭りだ。ともに楽しもう」

*1:最初の手番のMinor Actionで鎧を装着してから戦うのだ。そして戦闘終了後すぐにベッドインするときにも重宝するという。思考がBook of Erotic Fantasyなのである。

*2:Thieving Weapon

*3:我々はd20紳士なのでどんな倫理的に問題ある行為でもD&D Ruleのもとに下された結果であれば「よろこんで!」と受け入れなければならないのデス。

*4:ここまで使う場面が全然なかったので無理矢理演出してみた。