D&D Next Test Play "The Caves of Chaos"


DM: つかださん
Dwarf Fighter トルデク 死せる詩人さん
Dwarf Cleric エベルク さるしんごさん
Human Cleric ジョウゼン 羽生響さん
[NPC] Halfling Rogue リダ 羽生響さん
High Elf Wizard マイア からくり
2012年5月24日に"The D&D Next Playtest Has Bugun!"というタイトルでWizardsからメールが送られてきた。
手続きをすると、D&Dの次の版への移行にあたって「こんな感じで遊んだらどうだろう?」というプレイテスト用のルール(DM用、Player用)とキャラシートとシナリオ一式がダウンロードできるということである。
これを遊ぼうというのが今回の趣旨。
ルールは概念戦闘できるように構成されていたが、うちのプレイグループ的にはグリットマップを使う、呪文の範囲などは4版の考え方を適用(Area of EffectがConeの場合Blastに置換する、など)、斜め移動も1マス(5ft)と数えるといった取決めでセッションを行った。
シナリオ"The Caves of Chaos"はクラシックをやりこんだ人間なら内容をだいたい覚えているという国境の城塞(B2モジュール)の焼き直しだとか。死せる詩人さんやさるしんごさんは結構覚えていたようだ。おいらは記憶にない。


ルールの特徴としては
●手番にActionをとるだけ。移動はActionに含まれず、Actionの前後に移動するか、または移動の途中でActionとることが可能。ProneからのStand upは移動力(Speed)を5ft消費するという処理。
●武器の持ち替えや物の出し入れもActionに含まれず自由にできる。
●HPは一撃で斃されるほど少なくはないものの、回復手段は限定的。各自Hit Diceを所持しており、Short Rest時にHealer's Kitを使ってHit Dice + Con mod.回復可能。1st Elf WizardはHP16で1d4+2回復する。*1戦闘中はClericがActionに含まれないHealing Word(1d6回復)を使うか、Actionで治療呪文Cure Lt. Wounds(1d8+Wis mod.回復)を唱えるくらい。あとはHealing Potion(1d8回復)がある。Long Restで完全回復。
●戦闘は命中/ダメージの固定値が状況によって変化しない。Advantage/Disiadvantageで有利な状況では2d20振って高い目を採用し不利な状況では低い目を採用している。AvengerのOath of Enmityである。
●Attack RollはすべてACに対して行われる。派生としてAbilityに対応したSTが要求される場合もある。
●他人の手番への割り込みは、Reactionとして各自1回の権利はあるものの、該当する能力を持っているキャラクタは限られている。
そんなところか。


ともかくセッション開始。
国境の城塞に集いし冒険者たちは、The Caves of ChaosのMonster掃討を依頼される。
そこでは様々なMonster勢力がバトルを繰り広げていたが、最近一致団結して邪悪連合を形成する動きがあるので、汚物は消毒という流れらしい。
ぶっちゃけ地図にある洞窟どこから掃討するの?という話らしい。


▼集った冒険者とThe Caves of Chaosの地図

情報収集の結果、手近なところにOrcの洞窟があることが分かる。
そちらを避けて、もう一方の手近な洞窟を調べてみるとGoblinらしき足跡発見。こっちから攻めるのが常道だろうということで、洞窟入口に向かう。
マイア(Female High Elf Wizard)の呪文はSpell Knownが4つでSpell Slotが3つ。
初手はBurning Handを除いて、Comprehend Language, Shield, Sleepを覚えることにした。
▼Goblinのお出迎え


Goblin 6体, 増援 3体, 増援 3体
先生 Ogre
エベルクのGuardian Themeの能力Defender*2を駆使して前衛を有機的に機能させていた。
▼Hideするリダ

青いマーカーはHide状態を表現している。
Hideからすぐに攻撃ができないため、手番が2回まわってはじめて攻撃というのは見ていてちょっとストレスなのではないかと思った。
あとエベルクはRanged AttackのためにImprovised Weapon[Torch]を投擲してCritical!
「モラディン流投擲術!」などと吹いていた。
▼Sleep!

Sleepは半径20ftなので、4版的に40×40(8マス×8マス)のArea Attackになる。
問答無用で移動力を半減させるのは強かった。あと低レベルだとUnconsciousになる可能性があるので、敵が多いときは定番だよなあ。
▼先生登場

1レベルのラスボスといえば今も昔もOgreだよなー。
▼Spring Attack!

マイアのRay of Frostはダメージないものの、Ranged Attackが命中すると敵の移動力を0にするという足止め呪文。
先生を足止めしつつ、前衛が適当な距離から移動>攻撃>移動を繰り返すことで、2ラウンドほど一方的に冒険者が攻撃できる状況となった。
4版と違ってBloodiedという敵のHPを推測できる要素がないため、どこまでダメージを積み上げていったらいいのかギリギリまで緊張を強いられた戦闘となった。


戦闘終了後、かっぱぐものをかっぱいで街に帰還。
売るものを売って回復アイテムを充実させる。
あわせて前衛のトルデクは「盾必要」ということで盾を購入。
武器の持ち替えが自由なので、LoadしたCrossbow、片手武器、盾、両手武器と揃えるのは当然か。
この後収入が増えると、鎧のアップデート、Silver WeaponやMasterwork Weaponの調達と、生き残るための施策を次々とうつことに(笑。


▼Goblin洞窟を再度襲撃

この後DMが「待ち伏せしてバリケードくらい築いてるよね」とバリケードを書き足している。

Goblin 6体, 増援 3体
Goblin Kingと妻 3体, 息子 3体
バリケード突破のためにSleepを使ったら、奥からGoblin Kingが三人の妻と三人の息子を引き連れて登場

▼4回もUnconsciousに!

エベルクはGoblin KingのCunning Tacticsを受けて4回も地に這う羽目に。酷い能力だよう…。


戦闘終了後、Goblin洞窟は掃討完了したことが分かる。そして街に帰る。
低レベルのうちは慎重かつ慎重に。
次は標高の低い洞窟を調べることにして出発。あくまでOrcの洞窟は無視(笑。
この流れでComprehend Languagesはいらないだろうということで、Spell Slotは代わりにBurning Handをセットしておく。


▼洞窟入口に近づく冒険者たち

嫌な予感がしたので、パーティー最後尾からさらに距離をとるマイアさん。

Kobold 8体
▼やっぱり待ち伏せ

Koboldたちははっきり言って弱いのでサクサクと処理。
でも、マイアさんは敵のDaggerで4点ほどダメージを受けた。


▼大部屋

洞窟を進むと分岐があって、一方は鼠がいそうだったのでもう一方の道を往く。
するとKoboldがみっちり詰まった大部屋に出くわす。

Kobold 40体
▼みんな寝てしまえー!

歩哨8体ほどが起きていて、残り32体は雑魚寝している。
あわてて迎撃しようとするところにSleepを撃ちこんで各個撃破という流れに。
「40体のKoboldがあっという間に!」
ちょっとヒドイ戦闘であった。


▼それでは鼠だ。DM曰く「アメリカネズミは●●●●マウスでラットとは違うから」

RatがTiny Sizeということで、スクエアを急遽2.5ft×2.5ftに変換して戦うことに。
見掛け上、冒険者たちはLarge Sizeのように見える。

Rat 18体
Dire Rat 1体
▼ここまでやったのに…

群がる鼠の群れ! マイアは呪文を詠唱する「Burning Hand!」
鼠、全・滅!
いや鼠のIntは2(Dire Ratで3)だからなあ。


▼Kobold掃討


Kobold 8体
Elite Kobold 3体
Kobold Chieftain
Koboldたちも全滅させることに成功。
赤いチットはジョウゼンが召喚したSpiritual Hammer。


いい加減1レベルは堪能したということで、ここから2レベルで行くことにした。
といってもマイアさんはHPちょいと増えて、Spell Slotが3から4になり、呪文がちょっと増えただけ。
呪文はGrease, Sleep, Burning Hand * 2をセット。
残りプレイ時間からDMの示唆により、カルト教団の洞窟に挑むことになる。


カルト教団の洞窟を進んでいくといきなり牢屋で髪の毛がウネウネしている捕虜の女性と遭遇。
いろいろと交渉が発生しそうになるが、質の悪いキャッチセールスを断るがごとく無視して先を急ぐことに。
その後、カルト教団"the Evil Chaos"の拷問吏を懲らしめたり、石棺の中から現れたWight相手にSilver Weaponが役にたったりした。
さらに進むと…。


▼で、出たーっ!

定番Monster来ました。
▼Engulfされるー!

エベルクが飲み込まれる。
しかし皆落ち着いて対処したので損害は最小限に抑えられた。


カルト教団洞窟の奥の間


Dark Acolyte 4体
まずは控えの間と思しき部屋にいるAcolyte相手に戦闘開始。
▼警報は鳴らさせない

逃げてBossに御注進に及ぼうとした最後の一人も、マイアさんのMagic Missileで斃した。
Grease使ってみたけどProneになったのが1人だけってのもあってイマイチだったな。


▼ラスト・ステージ Temple of Evil Chaos

タペストリーに囲まれた礼拝堂。
奥の壁にはCharm系のIllusionが展開されていて、これを目にすると礼拝堂中央で邪な賛美歌を歌いだす。罠だ。
罠にかかったトルデクを気付かせるためにMagic Missileで刺激を与えるマイアさん。そのマイアさんも部屋に入った途端に賛美歌を歌う羽目に。
そこで敵の司祭(Dark Priest)が登場。奥の玉座にTouchしてWorm of Utter darknessを起動する。
▼リダの危機

部屋の奥に皆が向かっている中、一人入口付近に残ったリダに、扉からSkeleton部隊が襲い掛かる。
部屋の中はWorm of Utter darknessで覆われ、冒険者たちが手番開始するとDex STを要求され、失敗するとダメージと移動力-10ft.を適用される。
▼大混戦

敵の陣容は、Dark Priest, Dark Adept 4体, Skeleton たくさん, Zombie たくさん。
▼Protection from Undead

先のWightと戦った石棺からみつけたScrollをマイアが読む。
これにより部屋の奥にUndeadが移動するのは困難な状況となる。
一部Skeletonたちは迂回して別方向から突貫を試みる。
▼Dark Priestを落とせ!

群がるUndeadたちをおさえつつ、Dark Priestを叩く。
マイアさんはShocking Graspを放つ。敵が金属鎧だったのでAdvantageを得ていたにも関わらず、気づかずに普通に攻撃していた…orz。
とはいえ、頼れる前衛がダメージを積み上げ、ジョウゼンのShield of Faithで敵にdisadvantageを与えて、粘るのであった。
▼勝利!

カルト教団首領および幹部を討ち取った。
これにてテストプレイは終了。


以下、感想。
もう少しタクティカルなルールを導入した方が楽しめるのではないか。機会攻撃必須。
Advantage/Disadvantageのルールは処理が早い上に有利/不利をうまく表現している。
レベルをAttack Rollに反映させないことで、レベル帯で使えるMonsterが多かったり少なかったり調整が必要だったりというDMの負担を減らす方向性は正しいようだ。
Damageを受けた(Disrupted)状態のWizardが、Spellを唱えるときの失敗確率が適用される場面はなかった。それは低レベルでダメージ受ける頃にはMinor Spellだけになっているからだ。それゆえレベルが上がって呪文が潤沢にある状況だとつらいかもしれない。
おいらはクラシックD&Dはほとんどやってないので、AD&D2ndの頃に近い感覚であった。
ともかく、初見セッションの印象はそれほど悪くはない。どのように発展させるか期待したい。

*1:使えるHit Diceは1日ごとの値なので、1レベルはShort Rest時に1回、1d4+2しか回復できない。2レベルはHDが2d4とダイスが増えるため、2d4+2で1回に回復するか、1d4+2で2回に分けて回復するか選択できる。

*2:5ft以内のクリーチャーを攻撃されたときにReactionとして使う。攻撃にDisadvantageを与える。