ギャラリーフェイク 1回目

この作品は映像面など結構良い出来なのだが、1つだけ文句がある。というか原作の良さを殺している。
テレビシリーズの構成上仕方ないのかもしれないが、サザビーズでのサラの扱い、あれは駄目だろう。
藤田に命じられたからビットを継続するという描写では、この作品の良さを感じることはできない。*1
原作から変更してはいけないエピソードを、わざわざ改悪しているように見受けられる。
1話目で藤田とサラの関係を画商とその助手として印象付けたかったという理由も考えられるが、それでサザビーズの話を頭に持ってくるというのはどうだろう。
1話目に「傷ついたヒマワリ」でもいいではないか。
サラというキャラクタは、この物語では常に話をブレイクさせる起爆剤の役割を担っている。
そして藤田とサラの関係性というのは、実に繊細で興味深い間柄である。
これを無視して、ギャラリーフェイクが成立するはずがないのだ。
というわけで、100点満点中60点くらいの評価しか与えることができない。実に惜しい。
逆に秋元羊介氏の声をあてたビル・トラヴァースの方が存在感あって楽しめた。(「笑えよ」という台詞が実に良かった)
とりあえず次回に期待。

*1:藤田があきらめかけたところ、サラが藤田の代わりに勝負を受けて立つ、というところがこの話の肝なのだ。その背景にはサラの経歴と藤田のギャラリーの押しかけ助手になるまでの経緯があるわけだ。ここらへんをすっとばして何を言おうとしても、浅薄な印象はぬぐえない。