電脳コイル

怒涛のネタバレ編。
それも凄いが、ポチと2.0の空中戦が圧巻。
「この旧式が!」と叫ぶネコメの台詞も分かっていらっしゃる。
曳光弾の軌跡も美しく、高速機動する飛行体同士の戦闘を、実に心躍る動きで描写している。
そして最後には「ヤサコをそっと電脳大地に戻す」(宮崎駿っぽい)「死なばもろともで散華」(松本零士っぽい)といったあたりの心鷲掴みの場面を経て、閃光と共に爆散するシーンが核爆発かと思えるほどに派手で、うまく心の動きをコントロールされた快感で思わず笑ってしまった。
しかし、ヤサコを体内に抱いて飛行するポチは、後ろ下方からの視点だと絶対パンツが見えるはず。
そこを不透過処理を施しているのに「くっそー!」と拳を握り締めてみたり。まあ全裸で正座して視聴しているという平野耕太氏よりは行儀が良いよね?
妄執に囚われたネコメ、それに愛想付かせた弟くん。対比としてスーパー女子高生オバチャンとハラケンの協力体制が描かれる。ともに血縁関係があるのに、描写の積み重ねがここに両極に分かれて結実しているのが興味深い。
両サイドの攻防が、イサコを求めるヤサコを中心に電脳世界で描かれるというのは、なかなかに終盤の盛り上がりの構図としては正当であろうか。