吉田秋生The Best Selection2 (フラワーコミックス) 吉田秋生 小学館

吉田秋生The Best Selection2 (フラワーコミックス)

吉田秋生The Best Selection2 (フラワーコミックス)

読了。
掲載されている作品の1979年までの絵柄と1982年作品の絵柄とでは、見た目が全然違う。
たぶん大友克洋あたりからの影響を受けたのであろう絵柄の変化が、僅かな期間で70年代から80年代の文化に移り変わっているのが分かる。
だいたい吉田秋生は高校生で「吉祥天女」から入ったはずなので、その後すぐに「河よりも長くゆるやかに」で心の琴線に引っかかる作家となったものだ。
それでも「BANANA FISH」あたりは守備範囲外として手を出さず、「櫻の園」から後は「海街diary」まで読書歴がとぶ。
思うに登場人物の軽妙さと真剣さの振り子度合いが大きい方が好みなのであろう。そして軽妙さがあくまで仮面であるあたり、作家の女性を感じてみたり。
いや「海街diary」まで来ると、さすがに練れていますが。
とりあえず本作の中では「きつねのよめいり」がよかったかな。
獣のお面をひっかけただけのおざなりの擬人(獣?)化だとか、猫科の目についてのくだりとか、何も解決してないし解決しようもないけど「まあよし!」とする話の流れとか。