〈トロールの脳漿〉亭 Campaign 6


GM:Thornさん
●“赤ら顔の”ダムロム(見田航介さん), Dwarf, 軍曹/代理戦士?
●オットー・ヘンゲルマン(wilさん), Human, 賞金稼ぎ(Bounty Hunter)/吸血鬼狩人(Vampire Hunter)/魔狩人
●ハリー・ポタリー(トゥルカナじいさん), Human, 見習い魔術師(Apprentice Wizard)/中堅魔術師(Journeyman Wizard)/上級魔術師
●マロン・レーム(からくり), Halfling, 家内工業人(Tradesman)/野辺巡視員(Fieldwarden)/賞金稼ぎ(Bounty Hunter)/射手(Targeteer)/決闘者(Duellist)


前回セッションから半年の間があいてしまい、シナリオ内容をすっかり忘れている始末。
とりあえず状況を整理する。
※現在マロンたちはPraagを目指して船旅を続けている。
※船はWurzenの街を出発したところ。
※ボリス・トッドブリンガー伯爵の探索を依頼されているが、同行した娘のカタリーナに混沌変異(棘)が!
※混沌変異を治療できる(かもしれない)というPraagのツァーリナへの紹介状を持っている。
※ボリス・トッドブリンガー伯爵は宿敵を追って山の彼方へと向かった様子。
相変わらずシナリオ進行を放擲したい欲求にかられる。それでも容赦なく不幸が襲いかかるので仕方なく話を進めている感じだ。
まあ、これも逆境を楽しむ?ということなのだろう。


●仲間さえ売り飛ばす非情のライセンス
さて船を進めていくと、次なる拠点Bechafen(ベクハーフェン)に到着する。
まずは水上検問に引っかかり、マロンがつぶらな瞳で検問官を見上げるものの、容赦なく戦時における人頭税すなわち戦闘に従事できる人材を徴収するという話に。
仕方ないので、乗船しているはずのグスタフとレギウス(今回プレイヤーはお休み)を差し出して、検問をパスすることにした。すげーよ、いきなり仲間を売ったよ俺たち。
「マロンちゃんの頼みなら、俺たちが行くよ」
「ありがとー」
などという一人道化芝居をうって、かくてこの場にいないMiyoleさんとめもさんのPCは船を去った。
これで今回のシナリオに参加していない理由もできて一安心…って、鬼畜ですか。
もはや宿命点が0になったマロンには、その場その場を凌ぐ刹那的な生き方しか残されていなかったのでした。生きていくって哀しいことなのね。


●港湾地区での戦闘
どんなTRPGでもアイテム購入と情報収集はPartyが生き残るキモであろうけど、WFRPほど気の重いシステムはないであろう。
情報収集すればするほど駄目で絶望的な絵面が見えてくるし、アイテムも結局のところ「幸運のお守り」という“残機”を入手する切実な場面でしかないからだ。
とはいえ何もしなければ果てるのみ。
嫌々ながらBechafenの街に繰り出すのであった。
調査の結果、一週間前に北の森からChaos Trollの襲撃があって迎撃に当たったヘルトヴィヒ議長にして辺境伯が行方不明になったこと(つーか、選帝候みずからが陣頭に立つことないじゃん!)、それ以降弟のマティアスが街に戒厳令をしいて軍隊による防衛体制を維持していること、相変わらず貧困・戦争による不満を持った人々を糾合して蜂起させようと扇動家どもが動いていること、などを確認する。
あとKislevの商人ソローキンが「Kislev Go Home!」と、まるでナチス台頭のドイツから災禍を逃れるため国外に脱出するユダヤ人よろしく、Bechafen脱出のために船に乗船させてくれとやってきた。
ともかく地獄の沙汰も金次第なので、彼らがKislevにたどり着くまでの護衛を引き受け、前報酬をもらったりした。
そしてその日の晩、Bechafenの街で開かれるという集会の様子を見に、マロンたちはのこのこと出かけていくのであった。
現場につくと、なにやらオットーの魔狩人レーダーに引っかかる儀式をしている様子。彼我の距離がかなりあったので、全力で戦場に展開する方向で動く。
なし崩しに戦闘に発展するも、マロンとハリーの遠距離攻撃、ダムロムとオットーの近接攻撃で圧力をかけていく。
相手の集団は別の誰かと戦っていたらしく、近づくとかなり見なりよい銃騎兵が「助かった」とばかりに我々の側につく。が、とくに援護することもなく戦いの推移を見守っているだけだ。
戦いはマロンたち優位で進んでいたが、ここで敵に援軍がやってくる。
中にはなんとダークエルフとしか思えない姿が見受けられる! すかさずマロンは瓦礫の中に身を潜め、スリングによる(笑)狙撃を試みる。
「あいつはマロンの闇のマントを盗みに来たの! 先にヤらないとこっちがヤられるの!」
いや闇のマントは冒険の戦利品で入手しただけで、もともとマロンのものではないのだが。確かにマントを着ているとダークエルフに狙われるのは、ゲーム上そのように設定されているのでまごうことなき事実である。
かくしてダークエルフが実力を発揮する前に、Party一丸となってこれを倒すのであった。後で確認したら手練れの暗殺者であり、先に倒しておいて本当に良かった…という話に。
残った敵はオットーやダムロムに群がって、相当追い詰められた状態になるものの、何とかこれを撃退することに成功する。
例によって「こんな街はもう嫌だ、うわ〜ん!」とばかりに、街を脱出することを決意するマロンたちであった。


●船旅はもうコリゴリ
そして早々に出港して船旅を続けようとしたのであるが、Kislev商人ソローキンとその護衛、および先の戦いで救出した身なりのよい銃騎兵が新たに乗船している。
銃騎兵は名をゲルハルト・フォン・カッチェウェックといい、Undead Hunterにしてグロッセキルヒェ子爵であるとのこと。
Willさんのロールプレイにより、子爵と棘だらけのカタリーナ・トッドブリンガーは互いを伴侶と認め、船室に篭って男女の睦事をはじめる(ヒドイ! この人、扱いに困ったNPCを新たなNPCに押し付けて解決しちゃったよ! …いや褒め言葉ですよ?)。
一方、狂気にとらわれた船長は水恐怖症を発症し、その任を全うできない状況になる。これにハリーが「ぼくが船長になろう。レベルアップで航海士を選択するから問題ない」との力強いお言葉。
かくしてパートタイム魔法航海士による船旅に乗り出したのであった。
しばらくボノボノした時間が過ぎたが、マロンは女スパイよろしくソローキンをたらしこむフリをして、そのポケットからスラーネシュのHoly Symbolを抜き取ることに成功。
これによりKislev商人一行の船上大虐殺計画が発動。もって混沌の手下を一掃することに。
マロンの手先の早業で、Holy Symbolをまたポケットに戻しておく周到さ。なにやらこの世界にも馴染んでしまった様子に愕然とする。
「こんなヨゴレなマロンちゃんなんて、マロンちゃんじゃないや!」とはファンクラブ所属者の談。
汚れだ何だといわれても、己の命にゃ代えられぬ。身を堕しても生きねばならぬこの世が悪いのか宿業か。同じ黒に染まるなら、美しき黒薔薇になってやろうじゃありませんか。
ハーフリングの女スパイ(密偵)を目指せばいいんでしょ、目指せば!(逆ギレ
それはともかく、商人が運んできた荷物からドラゴンタートルが孵化し、インプリンティングされたダムロムを親父だと思って懐いたりもした。
WFRPとも思えぬ和やかな雰囲気で、「ドラえもん のび太の恐竜」に登場するぴー助のごとき扱いになるものの、事態はさらに混沌とした方向へ。
みんなで話し合った結果、船を陸地に向けて航行させ、接岸と同時にスラーネシュの下僕を殺害、陸路を往くという作戦であった。
作戦はうまくいくかに思われたが、ぴー助の親であるドラゴンタートルが子供を救いにくるわ、スラーネシュ配下の護衛はヤバイ剣を使って狂気度を振りまくわ、船上は阿鼻叫喚といった地獄絵図に。最後はドラゴンタートルとバグベア?戦士オウガ*1の怪獣大決戦が展開する中、我々は退艦することに。いやもうこんな展開にも慣れましたが。
最後の最後はオットーというかwillさんが「もういいよ。船旅はいい思い出なんてなかったよ。船を燃やそうよ」と誰にも言葉をはさませることなく(DMすら!)、語り部のように事態を進行させるのでありました。
混沌におかされた船を降りて、水夫たちには適当に金目のものを渡して解散させ、自分たちは荷馬車とポニーを船倉から引き出して陸路を行くことに。
船には火をかけ、かくして船旅も終わりぬ。(マロンはタルコフスキーノスタルジアごっこまでしていた。*2
まさかこんな結果になろうとは。誰もが予想だにせぬグダグダな終わり方。
さらにこのままPraagの方向に走り出すも道に迷い、気がつくと我々はKislevの街にたどり着いていたのでした。なんじゃそりゃ。
「大きな街なら“幸運のお守り”売ってるから大丈夫!」何が大丈夫なんだ、何が。


今回はここまで。参加された皆様、お疲れ様でした。
いったいどこまで堕ちていくのかと、ほとほと駄目な冒険について考えさせられるセッションでありました。
これに懲りずに次回もよろしくです。そして本人の許可なく身売りしてしまったレギウス、グスタフ両氏には…ごめんね(笑
これがウォーハンマー、これがオールドワールド、これが駄目な冒険者クォリティ!…まったくもって半端ないッス。

*1:Thornさんの指摘により修正。

*2:あれは焼身自殺の場面だったか?