本日の戦果


 ■小学館  シュトヘル 3  伊藤悠
この作品そういや現代とリンクしてたよな、と思い出させる3巻の展開であった。贅沢な構成だ。
伊藤悠という作家は色々と勘繰ってしまう部分があるのだが、今回はなんでこんな構成なのか純粋に興味がある。
理由はひとつとも確たるものでもないのかもしれないが、「わたし気になります」と小佐内さんばりに思ってしまうのだ。
・現代とリンクさせたのはなぜか?(扱うお話がマイナーだから読者を誘導するため? 歴史への影響を表現するため?
・現代と13世紀とでコンビの性別が逆なのは?(スズキさんは象徴というか話の都合っぽいけど。
・まずはBAD ENDから入ったのは?(すなわちそれが「悪霊」の導入だからか。
まあ徒労に近いものだが、ねむねむと考えざるを得ない。
いち読者として女性作家の容赦ない描写というのによく晒されるのだが*1、あわせて話の構成や言葉の選択に警戒してしまう作家というのもあって、傍から見たら滑稽かしら。
ただ楽しめばよいものをと心のどこかで思いつつ(まとまらん。

*1:今回も捕縛されたシュトヘル、直接描写はないけど輪姦されてるよね。手枷足枷はリアルだし、絞首刑に処されるまでの諦観からユルールの登場により絶望の中で死んでゆく描写は、容赦ないというか作家の中の現実感覚が納得しないからだと思うと、そら恐ろしいものも感じる。話としてはここまでやって須藤くんに交代すれば、先行きどこへでもたどり着ける気もするけど。