重力が衰えるとき

読了。
これは同時代に読むか若いときに読めばそれなりにハマった系統の小説かもしれない。
とくにイスラム世界や脳に人格モジュールをセットしたり身体精神機能を制御するソフトをセットできるよう人体(脳)改造する点、男女性転換も自由なあたりに惹かれなければ、ハードボイルド世界の中心にいると考えていた人間が、まさに重力が衰えるがごとくその世界から弾き出される話と読めるのではないか。つまり挫折に至る魅力的な物語と言えなくもない。
自分の変遷をそれなりに受け止めてくれる者に幸いあれ。あなたの魂に安らぎあれ…は、神林長平か。