ベルリン(ドイツ)

ハンブルグインターコンチネンタルホテルをチェックアウト。
(全体的には過ごしやすいホテルだった。アルスター湖畔で眺めも良く、部屋も外の光をふんだんに取り入れる間取りになっていた)
ここで払っているはずの宿泊費を請求された。
とりあえず自分の意思疎通能力では太刀打ちできないうえ時間もないと思い、アメックスで支払う。よくわからん。
あとで苦情を旅行代理店の方に上げればいいと思い、そのままホテルを出る。
タクシーを昨日予約したはずだが、全然来る気配がない。
時間も近づいたので、仕方ないので別途タクシーを呼んでもらい、事なきを得る。
しかし、運転手がラビ(ユダヤ僧)か何かのような、髭面の中近東風の風貌である。
思わずこのまま人質になってしまうのではないかと勘ぐってしまう。
それでも特にどうということもないまま駅に到着。
昨日一度駅のホームを確認しているので、迷うことなく8番ホームのA地点へ。
日本と違って改札がないのがおもしろい。見送りにホームまでやってこれるのだ。
また駅舎に鳩が巣くっていて、糞を落としてきたのに驚いた。
ショーン・コネリー主演の「大列車強盗」に出てくる駅舎を小さく簡素化したような感じ。
 思わずストップウォッチで時間を計りながらホームを走り抜けたい衝動に駆られてしまう)
ICEの到着は10分ほど遅れる。
ICEは欧州の新幹線とでもいうべき車輌だが、在来線の線路を使っているため、それほど速度が出せない。
ハンブルグからベルリン(ツォー駅。動物園駅のこと)まで、2時間半ほど。
昔の探偵小説に出てくる一等のコンパートメントと違って、かなり狭い4人席。それに通路にも単独の席がある。
これは完全には仕切られていない。コンパートメントの入り口も透明なプラスティックと思われるスライド扉だ。
私は4人席の窓際で隣に誰も来なかったので助かった。
向かい側に座った2人は明らかにビジネス・エグゼクテゥヴといった中年の恰幅のいい紳士。
外に見える若手のビジネスマンもPCをしきりにタイピングしていた。
列車はすぐに発車。窓外に見える風景はのどかで美しい田園地帯や欧州の田舎町の光景が繰り広げられるばかり。
非常に心が和む。しかも、野原を疾走する鹿が見事なフォームで遠ざかっていくのを目撃できた。
あとは風力発電用の風車があちこちに設置されていて、それが草原の向こうで何基もゆったりと回転している。
見ていて平和になる光景であった。


昼過ぎにベルリンに到着。ガイドのスエツグさんと合流。なんでも30年ベルリンに住んでいるそうだ。
「サン・ファン」(「プエル・トリコ」というボードゲームのカードゲーム版)をさがすために、まずはゲーム専門店へ。
ドイツのベルリンまで来て、まずゲーム屋に行きたいといった観光客は私くらいだと思う。
(ここでガイドには娘さんがいて、カタンに一時期はまっていたということを教えてもらう)
ところが連れて行かれた場所は、プレイステーションゲームキューブなどのコンピュータゲーム専門店であった。
そこでは当然みつからないので、いろいろと情報収集の結果、デパートのおもちゃ売り場に行くことに。
そこで「サン・ファン」をみつけたので、2セット購入することに。
これを日本に送付するために郵便局で郵便小包まで購入する。ゲーマーとは業の深いことだと思う。
その後、私が第二次世界大戦に興味があるということを告げると、ユダヤ人虐殺の資料館に連れて行かれる。
ドイツの学生が必ず社会科見学に訪れるという場所で、実際そうと見受けられる子供の姿が見られた。
ユダヤ人虐殺の歴史は本当に馬鹿馬鹿しいことを真面目にやるとどういうことになるかの見本のようであった。
「こんなことをしたドイツ人がヨーロッパ人となりえるだろうか?」という文章で展示が終了していた。
人間一人では生きていけないくせに、寄り集まるとロクなことはしないように思える。


この後、ポツダムとの境にある橋に向かう。
なんでもこの橋は東西ドイツが1989年に統一されるまで、年に一回クリスマスの日に東西の捕虜となったスパイを交換していた場所らしい。
グリューネヴァルトの森を抜けると、くだんの橋が現れる。橋から眺める湖上や対岸の景色は本当に美しく、そんな歴史を感じさせない。
しかもホーエンツォレレン家のものという旧別荘や旧邸宅(広大な敷地付)が臨まれる。
ここからベルリン方面に戻り、今度は連合国博物館を見学する予定だったが、水曜定休ということで入れなかった。
しかし入り口で待っていた4人組(家族か?)は、どうやらSpecial待遇らしく特別に中に入っていった。差別である。
仕方ないのでそのままホテル方面に向かう。
途中ミネラルウォーターをスーパーらしき場所で購入し、ホテルへと投宿した。
ホテル・ベルリンエクセルシオールは明らかにビジネスホテルといった趣で、ハンブルグのホテルが素晴らしかっただけに落差を感じる。
カードキーでなく、普通のルームキーでそれも鍵を開けるのにコツがいるといったタイプで、実に何とも困ってしまう。


気がつくと昼飯を食べていなく、異様に腹がすいたので、意を決して街中に出ることに。
ガイドブックによると「クネーゼ」という街中のレストランに日本語メニューが用意されているということで、そこまで歩く。
さすがにベルリンの大きな通りしか移動しなかっただけあって、危ないと思われる目にはあわなかった。
時間も早く(こちらでは21時過ぎないと日が落ちない)、食事後ぶらぶらと散歩してからホテルに帰った。