ペーネミュンデ(ドイツ)

>ペーネミュンデ(旧V2号ロケット発射地点)
>グレイスワルド宿泊


ベルリンのエクセルシオールホテルで朝食。私が食事していると、正面にキングサイズの御婦人が座る。
ハンブルグのガイドが教えてくれた通り、パンを水平にカットしてハムをのっけて大口開けて食べている。
その正面ではなんだか食事しずらかった。できればもうちとスマートな美女または美少女を希望。いや本当に。
とにかくベルリンのホテルをチェックアウト。
フロントでガイドを待っていると、中国人らしき東洋人やビジネスマン、楽器を抱えた学生風など、大勢が行き交う。
世界は彼らのせわしない動きによって成り立っている。いやまったく。


ガイドのスエツグさん到着。彼女の言によると今日の運転手は黒人だった。
あとで聞いてみると、エトルリアの出身だった。(たしか「不思議の海のナディア」の出身地では?とボケてみる)
エトルリアエチオピアとの戦争で相当悲惨な歴史を持っているらしい。
運転手は難民として国外に出、めぐりめぐってベルリン大学で学んだという。
エトルリア語(出身地の言葉)、
エチオピア語(出身地を含む国の言葉)、
イタリア語(エチオピアは2次大戦時にイタリア植民地だった)、
英語(英語ができないと話にならない)、
独語(大学がドイツだったので覚えた)、
アラビア語(エジプトに家族がいる)、
の6カ国語を話すインテリということが分かる。運転手はインテリがなる職業なのかもしれない。


とりあえず昨日買った「サン・ファン」(カードゲーム)の郵便小包を日本に向けて発送する。
ベルリン市内はドイツ・イスラエル首脳会談のため、厳戒態勢だったため、その後(円からユーロへの)両替はせずにペーネミュンデに向かう。
アウトバーンをひた走り、途中地図を購入したりしたが、ペーネミュンデまでドライブを続けた。
そもそもV2号ロケット射点としてここが選択されたのは、辺鄙な上にロケット実験に都合が良いからなわけで、観光客が行きやすい場所にあるわけがない。
しかも東西ドイツ時代は東ドイツがロケット開発の研究を引き継いで、立ち入り禁止区域だったのだ。
で、途中にある跳ね橋が船の運航のためにあがって足止めを食ったりして、ペーネミュンデ見学の時間を大幅に食われてしまった。
到着後、現地で一軒だけと思われるレストランで食事した。
魚料理だったが、運転手は綺麗に骨をより分けて食事をし、私はもったいない食べ方をして恥をかく。まあ旅の恥はかき捨てということで。
その後ペーネミュンデの博物館で見学することになるが、時間におされてじっくり見学することができなかった。
お土産の類も買えなかったのが心残りである。また来れることはあるだろうか?
ガイドのスエツグさんがこちらに来られるなら、個人的に連絡してくれればベルリンの家に泊めてくれると言ってくれたのがありがたかった。


ともかく博物館は研究所跡地を利用しているだけに広大な敷地を要する。
展示室は旧ロケット整備工場(でっかい倉庫を思い浮かべればいい)を利用していて、2階が2次大戦、1階が東独時代、という区分けになっている。
3階はいまだ展示内容を考慮中とのことだった。
だいたい見て回れた範囲では、ロケット開発の歴史とナチスドイツの歴史が並列で展示されているあたりだ。
フォン・ブラウンの写真やそのインタヴュー映像、アニメ「オネアミスの翼」でロケット実験の映像を主人公たちが映像講習で見ていた光景があるが、
それと同様に当時のロケット実験の映像が流れていたりもする。
駆け足で見て回った後、大急ぎでグレイスワルドを目指すことになる。
旅行代理店では明日の列車の指定席を予約できなかったが、それほどの田舎…ということらしい。


実際に到着してみると、なんとも田舎というか、ホテルがまた繁華街から離れて住宅街を通り越し、何もない郊外にあるといった感じ。
近くにマクドナルドがあったので、そこで夕食は済ませてしまった。
一応、街中を歩いてみたのだが、とても繁華街まで行く気力はなかった。マクドの味が日本と同じなのに妙に感心してしまう。
あ、街中を歩いている途中で踏み切りがあったのだが、これが鳴り始めてから実際に列車が来るまでが長い。
列車が過ぎて遮断機があがるのまで遅い。まさに田舎である。
ホテルに帰る道すがら、変なオジさんが話しかけてくる。
話せる日本語は「さよなら」「ふじやま」といったもので、こちらもドイツ語は「アウフ・ビーダーゼン」くらいしか言わなかった。
まあノリで話している分には面白かった。最後に握手して別れた。これくらい積極的なドイツ娘はいないものかと下手な考えに思いを馳せる。


ホテルに戻ると、フロントでホテルを切り回していると思われるオバさんが、笑いかけてくる。
1人なのにスウィートルームに泊まるのが本当に面白いらしく、いやそれは俺の責任じゃないと思いつつ、その笑みに納得いかないものを感じた。
あとはお金を払うときに封筒からお金を出すときにも笑っていたな。
で、スウィートルームに入ったものの、なぜか電気がつかない。暗くなってきたのにこれでは困るのでフロントに引き返す。
そこでくだんの女性に部屋までやってきてもらうが、彼女は部屋のカードキーを備え付けのスロットに差し込む。
すると驚いたことに部屋の明かりがついた。何のことはない。カードキーが電源をつなげる役割を果たしていたのだった。


明日は早めに田舎の駅に行って列車に乗り、ベルリン経由ライプツィヒに向かう予定。