訃報
植木等さんが亡くなられた。
小林信彦「日本の喜劇人」によれば、クレージーキャッツは昭和30年代に輝いていたグループだ。昭和40年も半ばになるとドリフターズが一線にきて、コント55号も台頭してきている。
つまり「無責任」シリーズで輝いて(そして苦しんで)いた時代の植木等さんなぞ私の中にはいない。「個人の幸福に関して何の責任も持たない体制に対して、無責任な態度で居直るよりほかなし」との時代に、青島幸雄の発想を体現せしめた植木等の姿は、私の生まれる前、親父が20代から30代といったあたりになる。
だから、私は植木等といえば「およびでないヤツ」である。風間三親子なのである。
この作品が過去へのオマージュなのか、パロディなのか、単なる引用なのかは知らぬ。ただとても楽しく視聴できたのは確かだ。たぶんそこが重要なのだろう。
なのでそういった諸々の思いを込めつつ、「およびでないヤツ」を再見することこそ、供養になるというものじゃあなかろうか。
とりあえず「ホンダラの奇跡」(12話)あたりから…(いそいそとDVDをデッキにセットする)。ともかく風間千歳(植木等)に栄光あれ!