歩くひとPLUS

光文社コミック叢書SIGNAL 『 歩くひと PLUS 』 THE DIRECTOR’S CUT EDITION

光文社コミック叢書SIGNAL 『 歩くひと PLUS 』 THE DIRECTOR’S CUT EDITION

谷口ジロー作品。
ただ単に路地を歩いたり、雨の中傘もささずに歩いたり、ふと思いついて河原を遡行してみたり。
そういった何気ない場面の繋がりが味わいとなっている。
中でも「夜のプールに忍び込んで泳ぐ」p67の場面は、主人公たる中年男性が陰茎丸出しでストレッチをして眼鏡を外し、バタフライで泳ぐのである。
イリヤの空 UFOの夏」の冒頭場面が脳裏に思い浮かび、その対比に爆笑してしまった。それはそれとして素晴らしい。日々を楽しむにしくはなし、である。
[追記]
巻末にある「あとがきにかえて」を読むと、その昔教条的に「いい作品はネームが少ない」と言われた意味がじっくりと身に沁みるように感じられる。